【2020年度版】ドローン保険徹底比較<動産・賠償別>

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こんな感じの内容です!

ドローンで事故を起こした時に助けてくれる「ドローン保険」についてのご紹介です。ドローンを購入する方、ドローンを持っていてこれから加入したい方、法人・事業主としてドローンの活用を考えている方は、是非お読みください。

目次

ドローンで保険加入は必ず必要?

ドローンは、個人でも産業でも利用されることが増えてきています。
そこで心配になるのが、ドローンによる事故

「自動車のように大きなもの・高いものではないから大丈夫だろう」と思っていませんか?
実は、ドローンは重大事故につながる危険性があり、多額の賠償金を請求されることがあるのです。

空飛ぶドローンが抱えるリスク

ドローンは数百~数kgもの重さがありながら空を飛ぶため、どれだけ細心の注意を払っても事故のリスクをゼロにすることはできません。

趣味でドローンを飛ばしている方でも不注意で墜落させてしまう可能性はありますし、風や鳥、機体の不具合などが原因でバランスを崩し、事故につながるケースもあります。機体が地上の人の頭に落ちたら…と考えるとゾッとしますね。

そんな事故が、自分の身に起こる可能性はゼロではありません。

発生しやすい事故原因とは・・・?

非常に多いのは、「電波障害」「電池切れ」でドローンが墜落するケースです。

ドローンを落として屋根を損壊させたり、車に衝突して傷を作ったり、電線などの公共物を破損させてしまったり。下手すると、人にあたって怪我をさせてしまうことも考えられます。

このようなことが起こった時のために、保険に加入することをおすすめします!

2種類のドローン保険

ドローンの保険には大きく分けると2種類あります。

1.賠償責任保険(施設賠償責任保険)

賠償責任保険は、ドローンの所有・使用に伴い、人・所有物・公共物を破損させてしまった際に役立つ保険です。自動車保険でいう対人/対物損害賠償保険にあたるものですね。

具体的には、以下のような場合などに適用されます。

  • 対人賠償:ドローンの離陸時に操作を誤り、機体が歩行者に接触してケガを負わせてしまった。
  • 対物賠償:ドローンが他人の家の壁に衝突して墜落。自動車を損傷させてしまった。車両の修理費の賠償責任を負ってしまった。
  • 人格権侵害:空撮した映像を投稿したところ、付近の家からプライバシー侵害で訴えられてしまった。
    ※対象保険によっては上記内容の一部が適用外の場合があります。

車の保険には入るけれど、ドローンの保険には入らない、という状況が散見されますが、ドローンを商用利用で飛ばす方や、趣味でも飛ばす回数が多い方は、賠償責任保険にはぜひ加入してください!

仮に人を死亡させてしまったり、後遺症が残るような怪我を負わせてしまったりした場合、負いきれない程の責任を負わなければならないからです。

2.機体保険(動産総合保険)

機体保険は、機体そのものにかける保険です。機体やカメラに万が一のことがあった際に、損害分を補償してもらえます。

一例として、以下のような場合などに適用されます。

  • ドローン破損時の修理費用(操作ミスや突風による墜落などが原因)
  • 飛行中に機体が行方不明になった際の、機体の捜索・回収費用(交通費や宿泊費等)
  • 保管中の火災、落雷、水濡れや盗難によって生じた損害

ドローンは、物理的に壊れるリスクの高い機材であり、多くは高価な製品です。10万円以上のドローンであれば、機体保険の加入を強くおすすめします。特に、産業用の機体であれば、機体だけでなくカメラも100万円を超える高価なものがあるので、墜落時の損害を考えると保険に加入して損はないでしょう。
※トイドローンの保険加入は一般的ではありません。

落とし穴に気をつけて!正しい保険の選び方とは?

ドローン保険には、賠償責任保険と機体保険があることをご紹介しました。それではいよいよ、日本国内のドローン保険の選び方に入りましょう!

賠償責任保険と機体保険は、用途の違いによって「個人向け保険」と「法人・事業主向け保険」のどちらかを選びます。個人用保険 = 個人向け、とは限らないので注意が必要です!

  • 賠償責任保険 個人向け保険
           法人・事業主向け保険
  • 機体保険   個人向け保険
           法人・事業主向け保険

個人向け保険

個人が趣味目的でドローンを使用する場合に加入する保険です。ただし、SNSに動画をアップする予定がある場合、賠償責任保険は個人向け保険ではなく、法人・事業主向けプランを選びましょう。

<重要メモ>
SNSにアップする行為は、ホビー使用範囲外(=業務行為)とみなされる!

「趣味目的」は、個人あるいはその家族程度の範囲内で楽しむもの、と定義されています。不特定多数の人が閲覧できるサイトにアップした場合はその範囲を超えるため、「業務行為」と判断されます。これは、SNS経由で収入を得ていない場合も同様です。ユーチューバーやアフィリエイトはしていないから大丈夫、ではありません!ご注意ください。

法人・事業主向け保険

法人や個人事業主が、事業目的でドローンを使用する場合には、こちらの保険を選びましょう。所有者以外の人がドローンを使った場合にも適用されるレンタルプランや、海外で使用した場合に適用される海外プランもあります。

 

【比較】賠償責任保険:個人向け

まずは、ホビー用ドローン向けの保険をご紹介します。
(SNSへの動画アップを予定されている方は、【比較】賠償責任保険:法人・事業主向けをご覧ください。)
表1をご覧ください。

①DJI賠償責任保険 限定利用プラン

DJIのドローンを購入すると、最初の1年は無料のプランに加入できます。ただし、自動付帯ではなくご自身で登録しなければ適用されないので注意が必要です。加入可能期間に制限がありますので、購入したらすぐに登録しましょう。

②RCKラジコン保険

個人に適用される保険として有名なものが「一般財団法人 日本ラジコン電波協会」のラジコン操縦士向けラジコン・ドローン保険です。
ラジコン操縦士に登録することで加入でき、価格が安価で対応もスムーズなため、趣味でドローン空撮される個人の方が2年目以降に加入される保険としておすすめです。

③グッド保険サービスのパーソナル総合障害保険

この保険は、賠償責任保険に機体保険が特約として付帯される点が①②と大きく異なるポイントです。機体補償額の上限が10万円なので、所有の機体価格との間に大きな差がない場合におすすめです。

 

表1 賠償責任保険:個人向けプラン比較表

 
DJI賠償責任保険
限定利用プラン(1年目のみ)

RCKラジコン保険

グッド保険サービス
パーソナル総合障害保険
主な特徴 ・DJIのドローンを購入すると、1年間無料で加入できる。
・加入期間に制限あり。
 ・ラジコン操縦士登録をすると加入できる。
・2年更新のリーズナブルな保険。
・賠償責任保険に、機体補償や他人から借りたドローンを保証する機体保険特約付き。
・満70歳未満の方が対象。
年間保険料  なし(最初の1年のみ)  4,500円/2年  10,000円/年
保険対象  個人事業主・法人に該当しない個人
補償金額
(抜粋)
対人・対物:
1事故につき1億円
管理財物補償:なし
交通死亡・後遺障害保険金:100万円
 

対人・対物:
合算で1億円

 

対人・対物:1事故につき1億円
機体補償:1事故につき10万円
弁護士費、受託物補償あり
交通死亡・後遺障害保険金:188.6万円

免責金額
(1事故につき)
 なし 5万円  対人:なし
携行品損害保険金:3,000円
受託物:5,000円

示談交渉サービス

 あり なし  あり 
補償開始日 登録手続日*の翌日午前0時~
*登録に不備があった場合は、お電話等で確認が完了した日
 振込完了日の翌日0時~  

15日までに到着→同月20日
16日以降に到着→原則翌月1日

引受保険会社  三井住友海上  あいおいニッセイ同和損保  あいおいニッセイ同和損保
ホームページURL DJI保険はこちら 一般社団法人
日本ラジコン電波安全協会はこちら
 グッド保険サービスはこちら

 

【比較】賠償責任保険:法人・事業主向け

表2をご覧ください。

①DJI賠償責任保険 標準プラン(1年目のみ)

DJIの無償保険は、法人・事業主に関しても有効です。こちらも購入後にご自身で登録しなければ無効となってしまうので、DJI社のドローンを購入したらすぐに登録しましょう!損害賠償金や訴訟費用等を補償してくれます。免責金額はありますが、無償で付与してもらえる内容として、とても充実しています。

②東京海上日動の「ドローン保険」

価格を抑えたWEB完結型の保険で、加入手続きから決済、事故報告までが全てWEB上で完結します。免責金額もなく、加入期間に制限がないのも嬉しいポイントです!

特筆すべきは、保険加入時に安全講習を視聴できるところ。
安全運用に不可欠な知識が保険加入と同時に得られるのは、とても大きなメリットですね。

東京海上日動のドローン保険は、所有者向けの「ライトプラン」、加入者以外の使用補償も含む「スタンダードプラン」、海外での事故にも対応する「海外プラン」の3つから選べます。また、補償金額も1億円、5億円、10億円の3パターンがあります。

WEB加入型保険なので掛金の中に保険料とシステム利用料が含まれますが、合計額で比べてもとてもお得な価格となっています。

③DJI賠償責任保険 標準プラン(2年目~)

2年目以降加入時のDJI賠償責任保険プランです。①のDJI無償付帯保険に似ていますが、免責金額は0になり、年間保険料が発生します。②の東京海上日動ドローン保険と同じように3パターンのプランあり、保証金額は1億円、5億円、10億円から選べます。

 

表2 賠償責任保険:法人・事業主向けプラン比較表

 
DJI賠償責任保険
限定利用プラン(1年目のみ)

東京海上日動の
「ドローン保険」

DJI賠償責任保険
標準プラン(2年目以降)
主な特徴

・DJIのドローンを購入すると、1年間無料で加入できる。
・DJI製品のみ。
・加入期間に制限あり。

・WEB完結型の保険。
・無料オンライン講座が視聴できる。
・DJI製品以外にも対応。
・購入時期に関わらずいつでも加入できる。
・3プラン、3パターンの保証額から選べる。

・DJIのドローン保険で、2年目以降の加入プラン。
・DJI製品のみ。
・3プラン、3パターンの保証額から選べる。

年間保険料 なし(最初の1年のみ)

掛金 6,150円~/年
*掛金の中には保険料の他にシステム利用料が含まれる。

8,400~円/年
保険対象 法人・事業主

補償金額
(抜粋)

対人:
1事故につき1億円
対物:
1事故につき5,000万円
など

基本補償:
1, 5, 10億円から選択可能

人格権侵害、初期対応、訴訟対応等、各種特約付き

基本補償:
1, 5, 10億円から選択可能

人格権侵害、初期対応、訴訟対応等、各種特約付き

免責金額
(1事故につき)

5万円 なし なし
示談代行サービス あり なし
(代理店による助言あり)
あり
補償開始日 登録手続日*の翌日午前0時~
*登録に不備があった場合は、お電話等で確認が完了した日

最短お支払手続完了日*もしくは指定した補償開始希望日の午前0時~
*支払方法による

加入者が指定する日の午前0時~

但しお支払手続完了日の方が遅い場合はその次の日の午前0時~

引受保険会社 三井住友海上 東京海上日動 三井住友海上
ホームページURL DJI保険はこちら ドローン保険はこちら DJI保険はこちら

【比較】機体保険:個人向け

表3をご覧ください。

①DJI機体保険

続いて、DJIの機体保険です。損害保険金、捜索回収費用など基本的な機体保険としての補償が含まれ、所有者向けの「Aプラン」、加入者以外の使用補償も含む「Bプラン」、海外での事故にも対応する「Cプラン」の3つから選べます。

注意すべき点は、ホームページ上でお見積りする際の保険額です。「簡単お見積り」のページで算出される保険料は機体本体のみの料金ですので、送信機や付属品を含む一式で比較検討する際には間違えないように注意しましょう。機体一式の保険料は、「詳細のお見積り」ページで算出される、機体+送信機の合計額です!

②グッド保険サービスのパーソナル総合障害保険

こちらは【比較】賠償責任保険:個人向け③の重複になりますが、グッド保険サービスは賠償責任保険に機体保険サービスの特約が付いたプランです。

所有の機体価格が10万円に近い額である場合や、全額はまかなえなくても、お得な保険額で機体保険と賠償責任保険どちらにも加入したい方におすすめです。

 

表3 機体保険:個人向けプラン比較表

 
DJI機体保険

グッド保険サービス
パーソナル総合障害保険
主な特徴

・DJIの保険。
・標準プランであるAプラン、レンタルする場合にも補償されるBプラン、海外時の補償もあるCプランがある。

・賠償責任保険に機体補償が付帯したプラン。10万円前後の機体を持っていて、SNSへアップする予定のない人へおすすめ。

年間保険料

Aプラン:保険金額の8%
Bプラン:保険金額の11%
Cプラン:保険金額の14%

例)Mavic 2 Proの保険料
機体12,960円+送信機2,880円
合計15,840円

7,000円/年
(賠償責任保険料も含む)

保険対象 個人(法人・事業主も可) 個人
補償金額
(抜粋)
対象となる機体の新価(再調達価額)

1事故につき10万円
その他賠償責任保険の補償あり

免責金額
(1事故につき)
なし

機体保険:3,000円
賠償責任保険:なし

補償開始日

加入者指定日の午前0時(深夜)~

※但し「保険料着金日」または「クレジットカード決済日」が加入者の指定日の当日以降の場合は、その翌日の午前0時(深夜)

15日までに到着→同月20日~
16日以降に到着→原則翌月1日~

引受保険会社 三井住友海上 あいおいニッセイ同和損保
ホームページURL DJI保険はこちら グッド保険サービスはこちら

 

【比較】機体保険:法人・事業主向け

表4をご覧ください。

①DJI機体保険

【比較】機体保険:個人向け①と同じプランです。DJIの機体保険は、個人だけでなく、法人や事業主の方も加入できます。
こちらも同様に、保険額のお見積りの際には注意してください。機体一式で申し込む際にかかる保険料は、「詳細のお見積り」ページで算出される、機体+送信機の合計額です。

②東京海上日動の「ドローン保険」

東京海上日動のドローン保険には、機体保険もあります。

賠償責任保険と同じくWEB上で完結できる保険で、安価かつ簡単に申し込みできます。無料オンライン講座を受講して申し込み、安全にドローンを飛ばしましょう!加入のタイミングはいつでも大丈夫なので、購入後うっかり保険に入り忘れてしまった方でも申し込みできます。

機体保険の種類は、所有者向けの「ライトプラン」、加入者以外の使用補償も含む「スタンダードプラン」、海外での事故にも対応する「海外プラン」の3つがあります。

 

表4 機体保険:法人・事業主向けプラン比較表

 
DJI機体保険

東京海上日動の「ドローン保険」
主な特徴

・DJIの保険。
・標準プランであるAプラン、レンタルする場合にも補償されるBプラン、海外時の補償もあるCプランがある。

・WEB完結型の保険。
・無料オンライン講座が視聴できる。
・購入時期に関わらずいつでも加入できる。
・DJI製品以外にも対応。

年間保険料

Aプラン:保険金額の8%
Bプラン:保険金額の11%
Cプラン:保険金額の14%

例)Mavic 2 Proの保険料
機体12,960円+送信機2,880円
合計15,840円

ライトプラン:保険金額の7.5%
スタンダードプラン:保険金額の10.5%
海外プラン:保険金額の21.3%

例)Mavic 2 Proの保険料
機体+送信機+付属品
合計13,070円

保険対象 法人・事業主(個人も可) 法人・事業主
補償金額
(抜粋)
対象となる機体の新価(再調達価額)

保険加入時のドローンの協定保険価額

免責金額
(1事故につき)
なし

なし

補償開始日

加入者指定日の午前0時(深夜)~

※但し「保険料着金日」または「クレジットカード決済日」が加入者の指定日の当日以降の場合は、その翌日の午前0時(深夜)

最短お支払手続完了日*もしくは指定した補償開始希望日の午前0時~

*支払方法による

引受保険会社 三井住友海上 東京海上日動
ホームページURL DJI保険はこちら ドローン保険はこちら

 

【おまけ】事業用に便利な超ビジネス保険

ついでに、ビジネス用の保険としておすすめの東京海上日動の「超ビジネス保険」もご紹介します。

 

こちらはドローン専用の保険ではないのですが、弊社でも加入しており、ドローン業務に従事する方には非常におすすめの保険です。
ドローンも含め、商用利用する機材に対しての補償があります。法人であれば契約できますので、ぜひご検討ください。

 

超ビジネス保険(事業活動包括保険)

補償金額 対人対物・最大10億円
保険料金 要問い合せ
保険会社 東京海上日動
ホームページURL ホームページはこちら

まとめ

ここでは、ドローン保険加入の重要性と、用途によって加入すべき適切な保険があることをご紹介いたしました。せっかく保険に入ったのに保険がおりない!という状況は絶対に避けたいものです。万が一の時のために困らないためにも、ドローン保険選びのご参考になれば幸いです。

また、加入する際は、本当に適切な保険なのかを代理店等へ確認をしたうえで加入し、安心安全にドローンを飛ばしましょう!

 

尚、本記事はドローン保険を斡旋する目的で執筆しておりません。

記事掲載に関して保険会社から利益は一切頂戴しておりませんので、その旨を末筆ながら記載させていただきます。

東京海上日動ドローン保険