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[ドローン法解説シリーズ]人の頭上でドローンを飛ばして良いのか?国交省のルールを確認してみよう

当メディアの運営主体であるドローン空撮パイロットのマーケットプレイス「DroneAgent」に対して寄せられる質問の中で特に多いのが、「人の頭上でドローンを飛ばしてもいいのか?」というものです。そこで本記事では、国土交通省の資料を基にこの質問に回答していきます。

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ドローンを利用するにあたって、法律面での疑問や不安を抱えている方も少なくはないのではないでしょうか。実際に、近年ではほぼ毎月、何かしらの形で警察に書類送検されるケースや私人間でのトラブルになるケースが発生しているといわれています。

このような中、当メディアの運営主体であるドローン空撮パイロットのマーケットプレイス「DroneAgent」に対して寄せられる質問の中で特に多いのが、「人の頭上でドローンを飛ばしてもいいのか?」というものです。そこで、本記事では国土交通省の資料を基に、この質問に回答していきます。

参照:国土交通省「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要綱」

http://www.mlit.go.jp/common/001110202.pdf (2016年6月20日版)

1:大前提:安全管理を徹底することの重要性

「まさかドローンが落ちることはないだろう」このような前提でドローンを飛行させることは危険です。なぜなら、バッテリー不足やモーターの故障といった機材面・コントローラーとドローンの間での通信ロストなど様々な理由での墜落事故が発生しているためです。

そこで、ドローンを飛行させる際は、人的・物的被害を防ぐためにも、安全に配慮して機材や飛行場所を管理することが重要です。

2:原則:第三者の上空での飛行は禁止

そのうえで、ドローンによる人的被害を最小限にとどめるために、以下のような記載が行われています。

4-3 無人航空機を飛行させる際の安全を確保するために必要な体制 

4-3-1 次に掲げる事項を遵守しながら無人航空機を飛行させることができる体制を構築すること。

(1)第三者に対する危害を防止するため、原則として第三者の上空で無人航空機を飛行させないこと。

引用:国土交通省「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査容量」

http://www.mlit.go.jp/common/001110202.pdf (2016年6月20日)

 

さて、ここで問題となるのが「第三者」が誰を指すのかということです。この点、操縦者および無人航空機の飛行に関わる人以外の人を指すといわれています。

つまり、原則として操縦するパイロットや、イベント・大会の関係者といった操縦に直接的・間接的に関与する者以外の人の上空を飛ばすことはできません。

3:例外的に第三者の上空を飛行させることができる場合

しかし、例外として以下の3つの要件を満たした場合に、第三者の頭上をドローンを飛行させることができます。

要件a:機体に関する要件

(1)にかかわらず、やむを得ず、第三者の上空で最大離陸重量 25kg 未満の無 人航空機を飛行させる場合には、次に掲げる基準に適合すること。 

a)機体について、次に掲げる基準に適合すること。

ア)飛行を継続するための高い信頼性のある設計及び飛行の継続が困難となった場合に機体が直ちに落下することのない安全機能を有する設計がなされていること。

当該設計の例は、以下のとおり。

・バッテリーが並列化されていること、自動的に切替え可能な予備バッテリーを装備すること又は地上の安定電源から有線により電力が供給されていること。

・GPS等の受信が機能しなくなった場合に、その機能が復帰するまで空中における位置を保持する機能、安全な自動着陸を可能とする機能又は GPS等以外により位置情報を取得できる機能を有すること。

・不測の事態が発生した際に、機体が直ちに落下することがないよう、安定した飛行に必要な最低限の数より多くのプロペラ及びモーターを有すること、パラシュートを展開する機能を有すること又は機体が十分な浮力を有する気嚢等を有すること 等

イ)飛行させようとする空域を限定させる機能を有すること。 当該機能の例は、以下のとおり。

・飛行範囲を制限する機能(ジオ・フェンス機能)

・飛行範囲を制限する係留装置を有していること 等

ウ)第三者及び物件に接触した際の危害を軽減する構造を有すること。

当該構造の例は、以下のとおり。

・プロペラガード

・衝突した際の衝撃を緩和する素材の使用又はカバーの装着 等

引用:国土交通省「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査容量」

http://www.mlit.go.jp/common/001110202.pdf (2016年6月20日)

これらの要件に該当するドローンは、現時点では自作機や特殊な機体でない限りないといわれています。特に、バッテリーの並列化とパラシュートを展開する機能又は機体が十分な浮力を有する機能等を有することという要件を満たすことが現状では難しいと言われています。そのため、乗り越えることが非常に難しい要件となっています。

要件b:ドローン操縦者に関する要件

b)無人航空機を飛行させる者について、次に掲げる基準に適合すること。

 ア)意図した飛行経路を維持しながら無人航空機を飛行させることができること。

 イ)飛行の継続が困難になるなど、不測の事態が発生した際に、無人航空機を安全に着陸させるための対処方法に関する知識を有し、適切に対応できること。

ウ)最近の飛行の経験として、使用する機体について、飛行を行おうとする日からさかのぼって 90 日までの間に、1時間以上の飛行を行った経験を有する – 18 – こと。

引用:国土交通省「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査容量」

http://www.mlit.go.jp/common/001110202.pdf (2016年6月20日)

ドローンの操縦者に関してもこのように、飛行技術・緊急時の対応能力・飛行経験といった観点から要件が定められており、数あるドローンパイロットの中でも一部のパイロットにしか対応できないものとなっています。

要件c:安全体制に関する要件

c)安全を確保するために必要な体制について、次に掲げる基準に適合すること。

・飛行させようとする経路及びその周辺を事前に確認し、できる限り、第三者の上空を飛行させないような経路を特定すること。

・飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、無人航空機を飛行させる者が安全に飛行させることができるよう必要な助言を行うこと。

・飛行経路周辺には、上空で無人航空機が飛行していることを第三者に注意喚起する補助者を配置すること。

・不測の事態が発生した際に、第三者の避難誘導等を行うことができる補助者を適切に配置すること。

引用:国土交通省「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査容量」

http://www.mlit.go.jp/common/001110202.pdf (2016年6月20日)

このように、補助者を設置し、適切な注意喚起・避難誘導ができる体制を確立することが求められています。

4:結論

「人の頭上でドローンを飛ばしてもいいのか?」という冒頭の問いに対して、結論はドローンパイロットやエクストラ、競技者などドローン飛行の関係者の上空であれば飛ばすことができるということができます。

しかし、それ以外の第三者の頭上に関しては、特に機体面の要件aを満たすことの難しさから困難であるといえます。

ドローンによって人的損害を与えることを防ぐためにも、第三者であるか否かに関わらず安全管理を徹底する必要があります。これ以外にも、「このような場合にどうなるのか?」といった疑問や不安に関してはその都度お問い合わせいただければと考えています。

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  • FLIGHTS編集部
  • DJIインストラクターを中心としたDroneAgentのスタッフが記事を執筆している、FLIGHTS編集部のアカウントです。
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