[“30m未満飛行“とは?]ドローン航空法 ~許可取得の方法まで~【徹底解説】
こんな感じの内容です!
平成27年12月10日に航空法が改正され、ようやくドローン(無人航空機)が法律において、どのようなものを指し、どのようなルールの基に飛行させるのかが制定されました。内容について見ていきます。
目次
近くをすり抜ける様な迫力ある映像が撮りたい!
改正航空法により定められた「許可・承認が必要な六つの飛行の方法」三つ目は「30m未満飛行」です。
航空法の基本は「人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること」となっています。第三者に接触の恐怖を極力感じさせない、そして何かあっても多少の回避行動が取れるギリギリの距離として30m離れることが設定されています。
まだまだ特定の環境でしかズーム機能を使えないドローン空撮において、迫力のある映像を撮影するには、被写体に近づく事が大きな解決方法となります。しかし、そこには本当に沢山のリスクがあり、プロであればあるほど細心の注意を払います。
・接触によって、直接人を傷つけたり物に被害を与える。
・接触により機体がダメージを受け、コントロールがきかなくなった機体が被害を与えてしまう。
・接触によって、操縦者自身がパニックになり、その後の操縦をミスしてしまう。
・近くを飛ばれた人や生き物を怖がらせてしまう。
ほんの一例ではありますが、何かが起こってしまった時に即重大な事故になる可能性がある事が分かります。
直接の接触だけではなく、その接触が原因で思ってもみない二次被害やもっと大きな事故を招いてしまう事も考慮しなくてはいけません。
30mの距離は、そのような事故を防ぐための最低限の距離です。
第三者って誰のこと?
条文には、対象は第三者と書かれています。この第三者を分かりやすく言うと「その撮影に無関係な人」です。スタッフや役者さん、もちろん操縦者は関係者になりますので対象外となります。
撮影には関係無く、その場にいる一般の方、駐車されていたり通過していく車などは第三者や第三者の物件です。そばにいる方に「ドローン飛行させてもいいですか?」と声をかけて承認を頂けたら、その方は第三者では無くなります。
しかし、車両の持ち主や通過していく車の運転手に声をかけるような事は不可能です。そのような撮影になる場合は、30m未満飛行の申請をし許可・承認を頂かなくてはいけません。
観光地での撮影など、不特定多数の観光客がいらっしゃる場合はこの飛行に該当します。映画撮影の際は、許可を頂いた上で万全を期すために、すべての観光客の皆様に声をかけさせて頂きました。
30m離れたら、欲しい映像が撮れないよ!
そうなのです!実は30mと言う距離は撮影にとっては非常に厳しい距離です。特にPhantomやMavicのカメラは非常に広角で撮影範囲が広いため、少し離れただけでも対象物が小さくしか映りません。役者さんとの絡みでは表情が見えなくなってしまったり、光の加減では誰だか分からなくなってしまいます。商品のディティールが捉えられなかったりもします。思っている以上に影響の大きい距離なのです。
映画やCMの撮影では、近い場合は1m程度まで接近するような事もあります。ここまで近づくような撮影の場合は、監視員を配置したり、カメラの操作は別の人に任せたり、ドローンにリードをつけたり、ありとあらゆる施策を行います。事故が起こってしまったら、映画自体がお蔵入りになるような事もありえます。しかし、必要なものは必要なので出来る限りの事をする訳です。
ちなみにこの30mと言う距離ですが、機体を中心とした半径30mの球体と考え、この球体に触れるものが対象となります。
どんな対策をするの?
先ほどのリスク事例への対処として、それぞれ
・危険度が下がる距離やアングル、飛行ルートを探す。
・ドローンリードをつける、ジオフェンスを設定する。
・経験値の高いパイロットに依頼する。
・各通りにスタッフを配置し、人止めをする。極力小さな機体を使用する。
などの対策を行います。
例えば、『ドローンが役者さんに近づいて行って、表情がはっきり分かる顔のアップで停止。』と言うような場合は、表情が分かる寄りの状態から離れて行って、逆再生を使うと言うような事もあります。
こうすれば、近づく際の距離感のミスで怖がらせたり接触したりするリスクも大幅に減らせます。
第一の対策は、接触の可能性を下げる事です。場合によってはドローンを使わないと言う選択肢も必要ではないでしょうか?
と言う事で、迫力のある映像を撮影したい場合には、操縦者の技量やスタッフの配置も考慮した上で
30m未満飛行の許可・承認を持って挑みましょう。
まとめ!
30mの距離は、撮影には非常に大きな距離です。
許可があって、常に注意を怠らず、リスク回避に努めましょう。