こんな感じの内容です!
Phantom4 RTK+D-RTK2 Mobile Station Comboの構成と性能、今後の可能性について紹介します。
目次
D-RTK2とは
D-RTK2モバイルステーションは、主要なGNSS(全球測位衛星システム)に対応するDJI高精度GNSSレシーバーのアップグレード版です。cmレベルの測位データを生成するリアルタイム微分補正を可能にし、相対精度が向上します。
DJI発表スペック値の中で特筆すべき内容を明記します。
GNSS周波数
GPS:L1 C/A、L2、L5
BEIDOU:B1、B2、B3
GLONASS:F1、F2
Galileo:E1、E5A、E5B 日本未対応
測位精度
単一ポイント
水平方向:1.5m(RMS)
垂直方向:3.0m(RMS)
RTK
水平方向:1cm+1ppm(RMS)
垂直方向:2cm+1ppm(RMS)
測位更新レート
1HZ、2Hz、5Hz、10Hz、20Hz
差分データフォーマット
RTCM2.X/3.X
IP等級 IP67
通信距離 OcuSync:2km
電源 16.5~58.8VDC
バッテリー WB37バッテリー:>2時間
D-RTK2を使用してみて
まず、netRTKとD-RTK2の手法を比較します。
netRTKの手法
Phantom4 RTKのプロポにはドングル装着箇所があり、インターネット接続可能。インターネットを介して補正情報を受取ることをnetRTKと称しています。
netRTKをご利用いただくにあたり、通常のドローンに加え、以下について留意する必要があります。
- 株式会社ジェノバ等のネットワーク補正情報配信サービスとの契約
- 補正情報送受信のためのSIMカード(インターネット回線契約)
- 4G/LTEの電波が受信できる環境下での飛行
つまり、電波が受信できない山奥の環境では使えず、また補正情報を取得するために、従量課金(または定額制)の使用料金が別途必要になります。
D-RTK2の手法
D-RTK2はGNSSを受信しており、機体の位置精度を向上させる固定局として使用可能。
D-RTK2は、環境に依存されない点(GNSSが受信出来る開けた場所であることは必須)や、別途の料金が発生しない点で大変優れていると言えます。
実際に弊社が実施した実証実験では、同じ現場、同じ飛行ルートで複数回飛行したところ検証点の測定精度が下記の通りとなっています。
netRTK(評定点利用なし)
水平精度 ±5cm
鉛直精度 ±15cm(相対精度は±5cm)
D-RTK2(評定点利用なし)
水平精度 ±5cm
鉛直精度 ±5cm
※撮影条件・測量手法により検証点精度は異なりますので、あくまでも目安です。
現時点(2019年1月)で、D-RTK2が優れている点は、SfM解析時にジオイド高を考慮する必要がないという点だと考えています。
netRTKを利用した測量においては、楕円体高での記録になるという課題がありましたが、(今後netRTKも楕円体高ではなく、標高での記録も可能になると期待していますが、)手間を少しでも省くという点に関して言えば、D-RTK2が優れていると言えます。(ただし、D-RTK2を設置する基準点座標が必須なので、基準点が1点も存在しない現場かつ、要求精度がさほど高くない現場(例:災害現場や進捗管理等々)に関しては、netRTKの方が有用であると言えます。
これらから、単純にD-RTK2の方が優れているとまでは言えませんが、それぞれの性能を把握・熟知した上で、適材適所の機材選定をすることが、肝要と考えています。
D-RTK2の性能と今後の展望
現時点での使用方法としては実装されていませんが、今後の展望としてD-RTK2は活躍の場面が増えるのではと期待をしております。
その理由が下記の写真です。
DRTK-2の中央部のくぼみに、Phantom4RTKのプロポにも使用されているドングル(4G/LTE通信を可能とするUSB接続型のルーター)を接続することが出来ます。また、同梱物として既にD-RTK2にドングルも含まれていますし、スマホ等の端末を取り付けるパーツも内蔵されています。
つまりドングルを使用し、D-RTK2がネットにつながる=ネットワーク補正情報サービスに接続できる可能性を持っており、その操作端末としてスマホ用のアプリが開発されていると想定します。
すなわち、D-RTK2が固定局としての利用だけではなく、GNSSローバー(移動局)として利用出来るようになると考えています。
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