ドローンでザンジバルでマラリア撲滅目指す。蚊の繁殖場所リサーチへの利用進む

塚本直樹
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こんな感じの内容です!

アフリカ東部のザンジバルでは、ドローンを利用して蚊の繁殖地を特定し、マラリアの撲滅を目指すプロジェクトがスタートしているのです。本記事では、プロフジェクトの最新状況をレポートします。

ドローンは医療分野でも活躍中

ドローンといえば配達や空撮など産業分野での利用を想像しがちですが、実は医療分野でも大いに役立つ可能性があります。アフリカ東部のザンジバルでは、ドローンを利用して蚊の繁殖地を特定し、マラリアの撲滅を目指すプロジェクトがスタートしているのです。

目次

ドローンが蚊の発生源を特定する

ザンジバルの首都のストーン・タウンで2017年7月から始まったアベリストウィス大学による「Zanzibar Malaria Elimination Programme」では、マラリアを媒介する蚊が発生しやすい湿地帯を、ドローンのマッピング技術で探し出します。また実験の機材には、DJIのドローン「Phantom 3」が利用されているそうです。

ドローンは20分間の飛行時間の最中に、30ヘクタール分の水田が調査できます。そのデータは即日分析され、湿地帯の分布を分析。そして蚊の繁殖地となる水辺を発見できれば、公衆衛生機関はDDT(殺虫剤/農薬)などを利用して、蚊を一気に殲滅できるのです。

マラリアの感染率の大幅低減へ

日本ではほぼ聞くことはありませんが、世界では年間で2億人以上がマラリアに羅患し、そして50万人もの死者が出ているとされています。一方、ザンビア隣のザンジバルの一部地域では、マラリア対策を行いその感染率を人口の40%から1%以下に引き下げることに成功したそうです。このように、マラリアは対策次第でかなりその感染を防げる病気でもあります。

今後の課題

またこのようなドローン調査には技術的な問題だけでなく、プライバシーや航空機との接近の回避、そして自然環境への影響の低減など、さまざまな考慮しなければならない問題があります。今回のザンジバルのケースでは、今後も地元住民と話し合いを進めながら調査を行っていくということです。

画像:The Conversation
参照:The Conversation
(文/塚本直樹)

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