こんな感じの内容です!
「どんな種類の測量があるのか」「ドローンの測量でどういったことが可能なのか」といった点に焦点を当てつつ、従来の測量の種類や新たな公共測量の基準について話をしていきます。
目次
産業用ドローンが徐々に世の中に浸透していますが、ドローン測量はすでに「普及した」と言える段階にあるのではないでしょうか。
国交省がi-Constructionの流れをプッシュしている中、実際に得た3Dデータの活用法まで含めて様々な議論が行われています。
しかしながら、実際のところ「測量とは何なのか?」「どんな種類があるのか?」という疑問がある方は多いのではないでしょうか。
あるいは、それは知っていても、「実際にドローンで測量を行うことで、どのような種類のデータが得られるか?」についてはご存知無い方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、ドローン(UAV)がどのようにして3Dデータを得ることが可能なのか、公共測量の基準として挙げられているマニュアルを基にお話します。また、それは現在の測量のどういったシチュエーションで役に立つのか?という点についても解説を行っていきます。
測量の種類①:地形現況測量
ここからは、測量の種類とUAVの得意・不得意について話を進めていきます。まずは『地形現況測量』についてです。
例:地形現況測量
地図を作成するための測量です。
トータルステーションやGNSS測量機器を用いて、現地の地形・地物を測定し、地形図(地図)をデータ化(CAD図面)します。
測量では地上から測量機器を用いるほか、航空機から撮影した航空写真を使用して地形図(地図)を作成することもあり、これを「写真測量」と呼びます。
写真測量は航空機からUAVへと移行する流れになりつつあり、国土地理院も「UAVを用いた公共測量マニュアル」を公表し、UAVを活用した精度の高い写真測量を後押ししています。
例:路線測量
道路や水路等の新設・改良のために、調査・計画・実施設計に用いられる基礎資料を作成するための測量です。
出典:福井コンピュータ株式会社
例:河川測量
測量の種類②:用地境界測量
続いて、測量の種類とUAVの得意・不得意について、『用地境界測量』に関して話を進めます。
例:境界確定測量
土地の境界を明確にするための測量です。
法務局・市町村役場等が所持する土地の図面やデータ、境界標の位置、構造物位置、過去の写真、過去の土地の図面、関係者などからの聴き取りを基に、現地を測量し、境界の位置を計算した結果を関係対象と協議します。
協議がまとまったら、測量結果をもとに土地の図面やデータを作成し、現地に境界標(コンクリート杭・プラスティック杭・鋲・刻み)を設置します。
UAVでの公共測量
国土地理院マニュアルの概要
民間で行われる航空測量では、精度などの取り決めは随意ですが、ここでは公共測量で求められる水準にするための「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」について解説します。
国土地理院の掲載サイト→ [http://psgsv2.gsi.go.jp/koukyou/public/uav/index.html]
直接リンク→[http://www.gsi.go.jp/common/000186712.pdf]
このマニュアルは、国土地理院が2016年3月に公表し、2017年3月末に改正しました。改正版では、UAVの現状に即した内容に書き換えられているものの、現状ではまだ「案」なので、これからもUAVの特徴や実情に合わせた対応が行われるでしょう。
この測量マニュアルは4編に分かれています。特にUAV測量で特に重要なのは、
第2編「UAVによる空中写真を用いた数値地形図作成」
第3編「UAVによる空中写真を用いた三次元点群作成」の2編です。
第2編は、写真を撮って地図を作る方法ついて書かれています。
現在のところ、第2編ではUAVを従来の航空写真測量の延長線上に位置づけており、UAVに特化した内容ではありません。
とはいえ、この第2編も重要です。
UAVでは第3編の3次元点群データに重きを置かれがちですが、かなり高精度の地図が作れますので、非常に有意義な内容です。
第3編は、UAV測量で特に注目されている3次元点群データについてです。
撮影した写真をもとに、SfM(Structure from Motion)ソフトを使って3次元点群データ(ポイントクラウド)を作成します。SfMソフトはPhotoScanやPix4Dが有名です。
UAV写真測量には大きく2つの手順があります。
1.ドローンなどのUAVに搭載されたデジタルカメラで、連続写真を撮る。
2.撮影した写真をSfM(Structure from Motion)ソフトに読み込み、解析する。