[“外為法“とは?]ドローン関連法をパイロットが解説 ~許可取得の方法まで~

岩本守弘
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岩本守弘

こんな感じの内容です!

改正航空法のみならず、他にも守るべきドローン(無人航空機)のルールを詳細に解説します。今回は、外為法です。為替や貿易関係の法律とドローンにどんな関係があるのか?どこを注意する必要があるのか?正しく理解しましょう。

目次

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為替?貿易?

ドローンの飛行に関して、しっかり理解し、守るべきルールが改正航空法以外にもたくさんあります。今回は「外為法」です。

外為法の正式名称は「外国為替及び外国貿易法」と言う外国とのお金や物のやり取りに関する法律です。ドローンと何か関係が?と言う感覚だと思います。レアなケースではありますが注意をしなくてはいけない部分があります。

輸出?経産省の許可?


注意すべきは、ドローンを輸出すると言う部分です。輸出と言うと仰々しいイメージですが、国内から海外に貨物を売りさばく事です。そしてまた、この貨物と言う仰々しい言葉に無人航空機が該当するのです。
輸出禁止ではなく、経産省に許可申請をし許可が取得出来れば問題はありません。

この外為法違反での事例に、「ヤマハ発動機不正輸出事件」があります。輸出許可が必要な小型ヘリタイプの農薬散布用無人航空機が無許可で中国企業に輸出され逮捕者が出ました。
無人航空機、農薬散布用ヘリは軍事的に転用可能な危険性を持っているので、自由に輸出は出来ないのです。

何が該当するの?


300km以上の運搬飛行
が出来るものや20リットル以上の粒子や液体状を運べて噴霧の機能を持っている無人航空機と言う記述があります。
これは、輸出令別表第1の4項(1の2)の貨物等省令条文 3条一号の二 3条一号の三に基づいて書かれています。
これを見ると、農薬散布機のみが問題で、一般的に空撮に使うドローンは全くの対象外に見えてしまいます。

しかし、実際に見ておかなければいけない箇所は、
輸出令別表第1の13項(4)の貨物等省令条文 12条十号の二です。
ここには、このように書かれています。

無人航空機又はその部分品若しくは附属装置であって、次のイ又はロに該当するもの(娯楽又はスポーツの用に供する模型航空機を除く。)
イ 無人航空機であって、次のいずれかに該当するもの (註 ロは略)
(一) 自律飛行することができるもの
(二) テレビモニターによる遠隔操作等により、視認できる範囲を超えて人が飛行制御できる機能を有するもの

ここを見ると、空撮用のドローンも対象に含まれてきます。娯楽やスポーツ用の模型航空機は、トイドローンなどを指します。

為替、輸入、貨物等、どの言葉も仰々しいので関係ないと思ってしまいますが、実際はドローンも要輸出許可の貨物としてカテゴライズされるのです。
よく有るようなケースではないと思いますが、くれぐれもご注意下さい。不明な部分があれば、経産省に問い合わせる事が大切です。

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