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ドローンのフライトモードの意味を正しく理解できていますか?趣味で飛ばす際にPモードで操縦している方も、ATTIモードの練習を行う必要があります。Pモード/Sモード/ATTIモード3つのモードの違いを説明した上で、ATTIモードの模擬練習法を解説していきます。
目次
ドローンを操縦する皆様は、『フライトモード』をもちろんご存知かと思います。
ただ、初心者の中にはモードを完全に理解せずに、そのままなんとなく操縦しているという人も居るかと思います。たしかに普段はPモードで普通に飛行していれば問題ありません。しかし、飛行環境によっては、いきなりATTIモードでの操縦を行う必要があるシチュエーションが起こり得ます。その際に、モードの特徴を知らなければ対応できません。そして何より、各モードを使いこなせて初めて脱初心者と言えます。
本記事は、知っているようで知らないフライトモードの違いについて、3つの安全システムのON/OFFという視点から見て行きます。
また、最後には、出来るだけリスクを押さえた状態で、ATTIモードの模擬練習を行う方法もご紹介していきます。
フライトモードとは?
DJIドローンは基本的にGPS、ビジョンポジショニングセンサー、障害物検知システムなどを用いて安定飛行を行っています。
ただし、周囲の環境や撮影の状況などに応じてそのシステムのON/OFFを変更することで、多様なシチュエーションに対応することが可能になります。
具体的には以下のモードがあります。
- Pモード:標準モード
全てのGPSやビジョンポジショニングセンサーなどのセンサーをONにし、誰でも安定した飛行が可能になる。 - Sモード:スポーツモード
スピード重視のモード。障害物センサーがOFFになり、高速でドローンの飛行が可能。 - Aモード:ATTIモード
安全用のセンサーをOFFに。手動でのマニュアル操縦を行う。スティック操縦なしだと風に流されてしまう。
今回は、これら3つのフライトモードについて解説を行っていきます。
(なお、インスパイア1等にはFモードがあったり、Mavic ProはAモードが選択出来なかったりと、機体の種類によって搭載モードは変化します。
この解説では、Phantom4シリーズや、Inspire2など適用されるものを標準として解説していきます。
ドローンが備える3つの安全システム
GPS
まず、皆様がご存知のGPSの役割について解説します。ドローンの安定感はGPSによって進化したと言っても過言ではありません。機体はGPSの位置を掴むことで、風などに流されそうになってもGPSが指し示す場所で停止ます。これによって、空中で一定の位置にホバリングする、安定飛行を行うことが可能なのです。
逆に、GPSを掴まないまま飛行させると、驚くほど風に流されてしまいます。上空は私たちが思うほどに強い風が吹いているのです。後ほど解説するATTIモードというのは、GPSをわざと切って飛行させるモードですが、初心者には危険なのでオススメできません。ドローンを飛行させる前は、必ずGPSの受信を確認した上で飛行を行うようにしましょう。
ビジョンポジショニングシステム
ビジョンポジショニングシステムは、超音波と画像イメージを使用し、ドローンを水平に保って安定飛行を行うための機能です。
DJIドローン本体の下部には、超音波センサーとイメージセンサーが搭載されています。このセンサーによって、GPSの信号が届かない場所でも、現在位置の正しい情報を取得し、安定したホバリングが可能になります。
より具体的なシチュエーションで言うと、学校の体育館などの屋内や、渓谷、滝、山奥の森林などです。こういった場所ではGPS信号が届かないため位置を保持できず、それゆえ安定したホバリングが出来ません。DJIドローンはこうしたシチュエーションでも安定飛行が可能なように、各種センサーを用いて機体が自分の位置を位置をGPSなしで取得できるようになっています。これによって、GPS切れによる機体の墜落の危険性を緩和し、空撮の幅はより広がることとなりました。
(なお、この機能はパイロットのマニュアル操縦によるスムーズな飛行が重視されるAモードでは無効化されます。)
障害物検知システム
障害物検知システムは、主に機体の前方にある障害物をセンサーにより検知し、衝突する可能性があれば停止するシステムです。この機能では、機体周辺の範囲にある障害物を検出した上で、DJI GO アプリ上に表示します。そして、前方に障害物を検知した場合には、前進することが出来なくなります。ちなみに、動画のPhantom4 Proは初心者モードを有効にすると、横の障害物にもセンサーが同様に効くようになります。
また、障害物検知システムが有効になっている際は、飛行速度が秒速8メートルまでに制限されます。これは、安全な距離で機体を停止するための配慮です。マニュアル操縦であるAモードと、飛行速度を重視するSモードでは障害物検知システムはOFFになります。
この基礎知識を踏まえた上で、3つのフライトモードを解説していきます。
Pモード
Pモードは、最も標準の飛行モードになります。
状況によって使い分けることはありますが、基本的に初心者・上級者問わず、基本的にドローン操縦を行う人はこのモードで操縦を行っていることが多いです。
Pモードでは、GPS信号・ビジョンポジショニング・障害物検知システムが全て有効にして、機体を最も安定して飛行させるモードです。(アプリ上の設定でOFFにすることもできます)GPSによる安定ホバリング、障害物の衝突回避、加えてビジョンポジショニングがあることで屋内での飛行やGPSが途切れた時などでもある程度安心できます。(屋内ではGPS受信できるモードにしておくとデメリットもあるので、そういった際にはGPSを切ることもあります。)
また、このフライトモードでの操縦中は、GPSを使用したより高度な機能を利用することが出来るようになります。とにかく普通にドローンを飛行させて楽しむ際には、Pモードでの設定のまま飛行を行うことを推奨します。
Sモード(スポーツモード)
Sモード(スポーツモード)は、Phantom4から追加されたフライトモードで、速度、機動性を重視したモードです。
SモードではGPSはONになっていますが、障害物検知システムが無効になっています。そのため、安全な距離で機体を停止するために設けられた「秒速8メートル」という速度制限が解除され、機体の上限のスピードを出すことが出来るようになります。操作感としては、単純に入力に対して舵の効きが良くなると言えます。丁寧に操作すれば静かにも動かすこともできます。
入力をフルに入れるととにかく速いので、空撮の際には何かを追いかけたり、迫力ある撮影を行うことが可能になります。また、遠くまで行ってしまった機体を手元に戻す際には、Sモードにすることで、短時間で帰還することが可能になります。(Sモード中はバッテリーの減りが早くなるため、切り替えの際にはバッテリー残量に注意しましょう。)
Sモードを使用中は、先ほど述べたように障害物検知システムが無効になっていることに十分注意して下さい。慣れないうちは、「開けた場所で」かつ「周囲の障害物に当たらない高度まで上昇させてから」使用することをオススメします。速度が速すぎて急に止まれないことにも注意です。初心者はいきなりSモードで飛ばし回らず、徐々に慣れるようにしましょう。
Aモード(ATTIモード)
Aモード(ATTIモード)では、マニュアル操縦によるスムーズな飛行が重視されるフライトモードです。
Attitude(姿勢)の先頭4文字を取っており、アッチモードと呼ぶ人もいます。
ATTIモードでは、GPS、障害物検知が無効化されています。機体の姿勢制御はジャイロセンサーで行い、水平維持機能、気圧センサー、ビジョンポジショニングがONになっています。
ATTIモードでは、Pモードに比べて自身で操作する必要のある領域がかなり増えます。例えば、ホバリング一つでもGPSが効いていれば、位置情報を元に静止できますが、ATTIの場合は風に吹かれただけで簡単に位置が移動してしまいます。その場合、『当て舵』といって風を読んでそれに合わせて風上にスティックを入れ、ホバリングをさせるといった技術が必要になります。これだけ取ってもかなりの難易度があり、操作には相応の技術レベルが必要です。
なお、GPSがATTIモードで有効でなくとも、GPS自体は受信はしているのでRTHは使用可能です。
ATTIモードでの練習の必要性
ここまでで、PモードからAモードに切り替えるリスクについてご理解頂けたかと思います。多くのドローンを飛行させる方、特に初心者はAモードでの操縦を行うメリットは基本的にありません。GPSが効かない場所での飛行は基本的に控えるべきです。
しかし、特に初心者はATTIモードを(安全な場所で)練習した方が良いと言えます。なぜなら、GPSも、前方/下方ビジョンシステムも利用出来ない場合、機体はPモードからATTIモードに自動で切替わることがあるからです。その際に、ATTIモードを操縦した経験が無いと、何も分からず焦って墜落させてしまうことになりかねません。
それゆえ、練習時に安全な環境下でATTIモードを何度か体験しておくことを推奨します。そこで自信が付いたら、GPSを切った状態での距離を伸ばして行き、ゆっくりと慣らして飛行の幅を広げていきましょう。この際に決して無理をしてはいけません。自分がどこまで飛ばせるのかの感覚をゆっくりと掴んでいくのが大切です。
ATTIモードの練習法
先ほど初心者の方にAモードでの練習を推奨しました。ただし、ATTIモードの練習をいきなり行うのはやや危ないので、Aモードの疑似体験の方法を2つ提案させて頂きます。
ホビードローンを飛ばす
先ほど少し触れましたが、Mavic PROに関してはそもそも手動でATTIモードに切り替えることができません。GPSが探知できない環境下でのみ自動的にATTIモードに切り替わります。そのため、200g未満のホビードローンなどを使用した練習を推奨します。
基本的にホビードローンはGPSが搭載されておらず、かつ軽いためより風の影響で流されていきます。Aモードでの操縦を想定すると、より難易度の高い状態での訓練が可能です。
(かつ、安いので墜落させても被害が安く済みます)
【2018年更新】ドローン講師が教える、1万円前後のおすすめドローン3選+1選
DJI GO シミュレーターを利用する
『DJI GO』『DJI GO4』のアプリには、「フライトシミュレーター機能」というものがあります。こちらは初心者〜プロパイロットまで、誰もが使える『知っておくべき機能』と言えます。実際に弊社の空撮パイロットには、飛行前日には必ず「DJI GOシミュレーター」でイメトレを行っている者がいます。
どこでも練習が可能な上に、『Aモードで風速を5m以上に設定、その場でホバリングで止まれるかどうか』とかなり具体的なシミュレーションが出来ます。実機を飛行させる前に、機体の動きを理解するために初心者は活用してください。
【ドローン初心者向け】初めての練習に最適、DJI GOアプリフライトシミュレーター
まとめ
いかがでしたでしょうか。
特に初心者の方は、十分な知識が無いことで『フライトモードの変更』を行って練習することを躊躇っている方はいるはずです。本記事で、モードを変更することでドローンの動作がどう変化するのかという知識をつけて、よりステップアップした練習を行って頂けると幸いです。
なお、フライトモードの変更方法に関してはこちらの記事で解説しています。DJI GO上での設定方法と合わせて、より正しい操縦知識を身につけていきましょう。
【DJIドローン初心者へ】DJI GOのオススメ設定からフライトまで 【徹底解説】
なお、家でホビードローンを飛ばして練習を行う際は、
ホビードローンの中でもスペックが高く、通常のドローンに近い操縦ができるTelloがオススメです。
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