ドローン向けスーパー35mmセンサー搭載カメラ「Zenmuse X7」の性能を徹底追求!【レビュー】

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「Zenmuse X7」はスーパ35mmサイズのセンサーを搭載し、6K CinemaDNGや5.2K Apple ProRes、14Stopのダイナミックレンジ、24MPの静止画撮影…などなど、そのスペックには目を見張るものがあります。そこで今回は、海外サイトのnofilmschoolのレビューを参考に、その撮影能力に迫ってみましょう。

この記事の目次

スペックをおさらい

概要

Zenmuse X7はDJIのドローン「Inspire 2」に対応したドローン用カメラです。定価は349,800円と高額ではありますが、Zenmuse X7とレンズ1本、Inspire 2本体のセットなら、なんとか100万円を超えないシステムでの導入も可能となっています。

6K動画の撮影

Super 35mm映像センサーを搭載することで、6K(30fps)の動画撮影を可能にしました。また、ピクセルサイズ3.91µm を実現し、録画時のセンサーの対角線長は26.6 mmとなっています。このセンサーサイズにより、光に対する高感度と14ストップのダイナミックレンジを実現し、低照度の条件下でも被写体を細かい部分まで表現することが可能となりました。

DLマウント・DLレンズ

X7のセンサーは感光性が高く、光をより広い入射角でセンサー領域に到達させることができます。薄い多層配線を採用することで、高品質な映像を維持しながら小型なレンズマウントが実現しました。DLマウントのフランジ焦点距離は17mm以下で、重量はレンズをあわせてもわずか約630gとなっています。X7とInspire 2を組み合わせても、わずか4kgという驚きの軽量化を実現しています。
 
また、DLマウントのレンズ(焦点距離は16mm、24mm、35mm、50mm)が装着可能です。 レンズは、軽量なカーボンファイバー製で、世界トップレベルの光学技術により設計されています。

DJIシネマカラーシステム

X7では新しいDJIシネマカラーシステム(DCCS)を導入しており、新しいD-LogカーブとD-Gamut RGBカラースペースで構成されています。D-Logは幅広いダイナミックレンジを再現し、D-Gamut RGBカラースペースでより多くの色情報を保持しています。これらにより、ポストプロダクションのプロセスでの柔軟性と色空間の向上を実現しました。 

レビュー:製品クオリティと使い勝手

カメラ本体とジンバルのクオリティは高く、ケーブル類は外部からは見えません。ジンバル上部のコネクタは奥まった場所に設置されており、耐久性がありそうです。ジンバルとドローン、あるいはレンズとカメラの装着もかなりしっかりしています。

カーボンファーバー製のレンズは非常に軽量で、まさにドローン空撮のために設計されたといった感じです。カメラやレンズの付け外しは直感的かつ簡単で、NDフィルターの取り付けにも迷いませんでした。

なお、今回のレビュー動画はすべてAdobe DNG RAW 6Kで撮影されています。

シャープネスと色収差

4つの全てのレンズを試したところ、映像は4隅までシャープかつフォーカスロールオフも良好。スーパー35mmセンサーと6K解像度の組み合わせは、はるか先の目標物のディテールを捉えることができるでしょう。

カラーチェッカーを見ても、目立った色収差は確認できず被写体深度は浅く、よりシネマティックな表現が可能となっています。

 

高感度でのパフォーマンス

 

DJIが「ISO 1600でもクリーンな映像が撮影できる」と胸を張る、スーパー35mmのシステム。テストではf値2.8にて、ISO 200からISO 1600までをテストしています。

上の動画は16mmのレンズでシャッタースピード1/60秒、ISO 1600で撮影したものですが、ディテールやハイライトロールオフは良好で、シャドーやハイライトにはほぼノイズが見受けられません

 

ボケ具合

上は50mmレンズでf値2.8にて撮影したものですが、ボケはソフトかつその形状も良好。ボケ部分にフリンジはありますがフォーカスエリアにはなく、撮影品質は良いといえるでしょう。

まとめ

Zenmuse X7はインディーフィルムメーカーにとって最高のチョイスとなるでしょう。ミクロフォーサーズ(かそれ以下)のセンサーとの差はとても大きく、Zenmuse X5/X5R/X5SとREDやARRIのAlexa Miniとの中間に位置づけられる製品になりそうです。

もし空撮システムに2万〜6万ドル費やすことができないのなら、Zenmuse X7とInspire 2の組み合わせはベストは選択肢といえるでしょう。

画像:DJI, nofilmschool
参照:nofilmschool
(文/塚本直樹)
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