[“危険物輸送“とは?]ドローン航空法をパイロットが解説 ~許可取得の方法まで~

岩本守弘
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岩本守弘

こんな感じの内容です!

平成27年12月10日に航空法が改正され、ようやくドローン(無人航空機)が法律において、どのようなものを指し、どのようなルールの基に飛行させるのかが制定されました。内容について見ていきます。

目次

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そもそも輸送なんて出来るの!?

改正航空法により定められた「許可・承認が必要な六つの飛行の方法」五つ目は「危険物輸送」です。

航空法では「爆発物など危険物を輸送しないこと」となっています。DJIの機体や量販店で販売されているドローンは、飛ばす事自体や空撮を楽しむものとして開発されています。ですので、輸送と言う言葉にピンとこないかもしれません。
しかし、現在ニュースなどでよく話題になるドローンは、宅配や医療現場で様々なものを運ぶ役割です。Amazonの宅配実証実験はすでにスタートして大きな話題になりました。楽天は特定のゴルフ場内で飲料の配達を行なっています。別の視点で見ると、空撮もカメラを輸送して撮影しているとも言えるのではないでしょうか?

PhantomやMavicなどの小型機・トイドローンは少しでも軽く、長く飛ばすために荷物を積む重量的余裕は無くものを運ぶような設計もされていません
ですが、2015年には容器を積んだドローンが官邸に墜落したり、テロで使われていると言う悲しい事件がある事も事実です。そのような事が怒らないように、この危険物輸送は決められました。ですので、他の飛ばし方などとは少々毛色が違っています。
もちろん、今後の宅配や輸送と言う働きの中で意図せずに危険なものを運んでしまうような事例が起こらないとも限りませんが、現状では危険物輸送は意図的でないと起こり得ない行為です。

危険物って何を指すの?

この危険物に該当するものは、航空機と同じです。
・火薬類、高圧ガス、引火性液体などの落下時に爆発などを引き起こす可能性があるもの
・放射性物質
・凶器
飛行機に乗る時にカウンターなどで「こんなものを持っていませんか?」と絵を見ながら確認されるものと同じです。

ただし、墜落防止パラシュート用の火薬やガス、撮影カメラ用の電池は例外となっています。

他のものは運んでも大丈夫?

では、ここに書かれている以外のものを運んでも良いのか?と言うと、オッケーとは言えません。
そもそも、物を運ぶように設計されていないドローンでは、重量やバランスの変化によって墜落やコントロール機能の著しい低下を招く可能性が非常に大きくなり、危険な飛行となります。積荷が外れて落ちてしまう事も考えられます。
ですので、それが小さなものでも、ちょっとお試しでも『ものを運ぶ事はダメ!』だと考えるべきではないでしょうか。事故を起こしてしまっては元も子もありません。

危険物は絶対運べないの?

特殊業務や研究、今後のドローンの発展に向けての実証実験などが、その用途のメインになると思いますが
このような危険物を取り扱う必要がある場合は、その趣旨や内容を明確にし国交相への申請を行って下さい。
その際、輸送に適した機体や追加の装置、安全対策、操縦技能など厳しいチェックが入ります。
通常の飛行よりも大幅に危険度が上がりますので。入念な準備をして下さい。
おそらく一般の方のこの申請に許可・承認がおりる事は無いと思います。

まとめ!

・危険物は航空機搭乗の際に聞かれるものと同じである。
・大半のドローンはものを運ぶことを考えて設計されていない。輸送自体を行わない。

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