こんな感じの内容です!
GoProのドローン「Karma」は、一体どのような特徴を持っているのでしょうか?その実力とは?海外サイトのDc Rainmakerのレビューを元にレポートいたします。また、新たに搭載可能になったHERO6も併せてレビューします。
この記事の目次
アクションカメラで名を馳せたGoProが、そのカメラを搭載したドローンを作る……そう聞くだけで、多くの人はワクワクしたものです。その後に発生したリコール問題などを乗り越え、消費者の手元に届いた「Karma」は一体どれほどの実力を秘めているのか、海外サイトのDc Rainmakerのレビューを元にレポートいたします。
バックパック入りの大柄モデル
まずKarmaで特徴的なのは、そのパッケージがバックパックとして利用できることです。つまり、パッケージがそのまま保管用にも、輸送用としても利用できます。
内容物はドローン本体にバッテリー、充電器、コントローラー、ケーブル類、そしてKarmaのジンバルとカメラを装着して手持ち撮影できる「Karma Grip」です。ドローン本体は満充電まで約75分かかり、飛行時間は13〜16分ほどです。
DJIの折りたたみドローン「Mavic Pro」と比べると、その本体サイズにはかなりの違いがあります。Karmaの本体重量は1941g、コントローラーは626gと、システム全体ではそれなりに重量があります。
飛行前の準備
ドローン本体は折りたたまれた4本のアームを引き出せば、すぐに飛行準備が完了します。コントローラーの起動時間を含めると、飛行までの準備に30〜45秒ほどかかります。
コントローラーでは、飛行前にマップをダウンロードします。またコントローラーには飛行練習用の飛行シミュレーターも搭載されています。
実際の飛行操作
初心者でもかんたんに操作できる。液晶一体型のコントローラ
DJIのコントローラの多くが、別にスマートフォンかタブレット端末を取り付ける必要があるのに対し、(液晶一体型もあります)GoPro Karmaは標準で液晶一体型のコントローラが付属しています。また、初心者でも楽しめるよう、操作等がシンプルでかんたんだと謳っています。
飛行時にコントローラーにはカメラからのビュー、バッテリー情報、ステータス情報が表示されます。また、ドローン飛行の制限区域に関する情報も表示されます。操縦にはジョイスティックを利用し、コントローラーではジンバルの角度、撮影の開始や停止が可能です。
カメラシステム
KarmaではGoPro Hero5 Black、GoPro Hero4 Black、GoPro Hero4 Silver、GoPro Hero5 Sessionが利用可能です。撮影品質は素晴らしいものの、GPS/ポジショニングオプションに弱点があることも判明しました。またカメラではカラープロファイル、露出、ホワイトバランス、カラー、シャッター速度などが設定可能です。
付属のカメラを手持ちにしたり、ウェアラブルににしたりと多用途
これが一番のGoProらしさだと思います。ドローンに付属しているカメラをワンタッチで外し、グリップに取り付ければすぐに手持ちカメラに早変わり!また、専用のアタッチメントがあれば、ヘルメットに装着したり、自転車に装着したりなど、ウェアラブルカメラとして使用することができます。これはレジャーの一直線上にドローンがあるというGoProの思想を反映しているように思います。
操縦する人/カメラを操作する人を分けることができる
Karmaには専用のコントローラが付属しますが、別の人がタブレット端末などからGoProカメラからの映像をリアルタイムで見たり、カメラ自体を操作したりすることもできます。友人と旅先で同時に遊ぶことも出来ます。
飛行パフォーマンス
Karmaの操作範囲は最大3000メートルと説明されており、上空に飛ばす限りでは問題は発生しませんでした。しかし3000メートルの限界まで飛行させようとすると、たったの120〜150メートル)、約40メートルで前後で未接続/距離警告が表示されてしまったのです。ドローンは接続が切れると自動で離陸地点に戻りますが、これはいただけません。また距離が離れるにつれ、送信動画のクオリティも低下します。
それだけでなく、最高速度を出すには、「イージーモード」をコントローラーからオフにしなければなりません。高高度での飛行は安定しているものの、地面近くでの飛行はDJIのドローンのように安定しているわけではありあせん。これは、搭載されたセンサーの違いによるものです。
Mavic Proとの比較
同じコンパクトドローンとしてマーケットをほぼ独占しているDJIのMavic Proと比較して見ていきましょう。
サイズは断然Mavic Proの方が小さい!
冒頭でKarmaは非常にコンパクトだと書きました。たしかに、他のドローンに比べると非常にコンパクトなのですが、Mavicと比べてしまうと、そこには顕著な差があります。Karmaの寸法は365.2mm * 224.3mm * 89.9mmですが、それに対してMavic Proは83mm * 83mm * 198mmと一回り以上コンパクトなのです。重量も、Mavic Proの方が300gほど軽量です。
安全性能は圧倒的にMavic Pro
安全性能は先程も書いたとおり、Mavic Proに軍配が上がります。初心者が操縦してもある程度の安全が担保されるほどまでに高い安全性能を誇っているのは、やはりDJI製品のみだと思われます。ここに関してはこれからGoProが知見を広げて、更なるステップアップを期待したいところです。
撮影シーンの多さはGoPro Karma
手持ちカメラやウェアラブルカメラに変身するKarmaに対し、Mavicは地上での撮影は一切できません。そもそもドローンからカメラを取り外すことさえ出来ません。そう考えると、やはり旅先などで使うのであれば、Karmaの方が楽しいかもしれません。
HERO6 Black2のセットモデル発売
2017年12月、Goproが”Karma”の”HERO6 Blackセットモデル”の販売を発表しました。Karmaそのものは従来と同様のものですが、最新のカメラであるHERO6 Blackがセットになったことにより、4K高画質映像、超スローモーション撮影が可能など、撮影のクオリティの大幅な向上が実現されます。
発表されたKarma HERO6 Blackセットモデルの内容は以下の通りです。
HERO6 Black/Karma ドローン/Karma コントローラー/Karma スタビライザー/Karma Grip ハンドル/Karma ハーネス/Karma 充電器/Karma バッテリー/プロペラ 6枚/Karma マウントリング/The Frame (HERO6 Black / HERO5 Black)/Karma ケース/USB-C ケーブル
セットに含まれるKarmaスタビライザーは取り外し可能。同梱のKarma Gripに取り付けて、安定した手持ちでの撮影もできるので、このセット一式でドローン空撮の映像だけでなく地上での撮影までが可能になりますね。気になる日本でのお値段は税抜165,000円となっています。
※アメリカ等海外サイトからの購入は日本で購入するよりも、少々お安く購入することは出来ますが、日本でのドローン飛行は日本の法律下にあるため、技適マークが必要となります。必ず技適マークのついた日本国内の正規品を購入しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
残念ながら、KarmaはGoProのCEOが宣伝したような「ドローンを遥かに上回るもの」という機体ではありません。取り外し式のジンバルは面白いものの、他のドローンとして欠点を補って「OK」といえる機体ではありませんでした。安定感や飛行性能もMavic Proに見劣りします。
そして何より、2018年1月にGo Proはドローン事業を撤退してしまいました。次なるGoPro搭載のドローンを楽しみにしていた身としては非常に残念です。
とはいえ、Karmaは飛行性能はドローンで遊ぶ上で不足は無く、愛用者もまだまだ数多いと言えます。また、新型のGoProが装着可能なことにより、新たな機体が登場しなくても、Karmaで撮れる映像は進化していく余地があります。ぜひ、興味のある方はアウトドアな楽しみをしてみてはいかがでしょうか?
Karmaはこちらから購入が可能です。
HERO6 Blackとのセットはこちらになります。
画像:Dc Rainmaker
参照:Dc Rainmaker
(文/塚本直樹)