【DJIドローン】Inspire2の長所と短所を調査してみた【徹底レビュー】
こんな感じの内容です!
DJIがコンシューマー向けに出す機体の中で、最も高いスペックと格好良さを誇るInspire2。一般的にプロ仕様の機体と認知されていますが、実際の性能は値段相応のものになっているのでしょうか。カメラ・ジンバル面で向上した部分を中心に、Inspire2の強みと弱みを中立的な立場から考えてみます。
この記事の目次
プロ仕様で人気のInspireシリーズのInspire2。
空撮を仕事とする方々の中には、Inspire2を愛用されている方は多いのではないでしょうか。
価格帯は高めでありながらも、何よりプロ仕様にふさわしい、圧倒的な格好良さを誇っています。そんなInspire2、肝心の性能の方はどうなのでしょうか?
今回は、Inspire2を実際に業務として使用しているパイロットのレビューをお伝えします。
Inspire2の長所
最大6Kの撮影が可能
Inspire2はカメラが付属ではなく付け替え可能なため、カメラ性能を別売りのカメラを装着することで高めることができます。現在出ている中では最高機能のZenmuse X7を取り付ければ、最大6Kまでの撮影が可能となっています。また、センサーサイズがSuper 35mmに向上しており、その差は比較すると歴然とします。
Phantom4 ProやMavic Proも4Kの動画が撮影可能と、カメラのレベルに関しては平均値そのものが高くなってきている中で、Inspire2は他の中型・小型機を含めても圧倒的に綺麗な映像が撮れます。これは、空撮現場でPhantom4 ProとInspire2の映像を見比べると雲泥の差です。色から対象物のディティールまで本当に違います。
現状では、6Kは映画撮影での利用以外でなかなか活用する場面は少ないですが。本格的な仕事での映像制作を行う人はこの6Kを一つの技術的な水準として撮影を行うことが今後は増えてくるでしょう。
バッテリーのアップグレード
インテリジェント・フライト・バッテリーのアップグレードによって、極寒の冬山などでも自己発熱型システムが低温環境下での性能を最適化し、1分ごとに5℃までバッテリーが加熱されるようになりました。この自己発熱機能は、オートでもマニュアルでも作動させることができます。管理ユニットが常にバッテリーのステータスを監視し、バッテリー残量、バッテリー温度を含めたすべての情報を作成し、それらをDJI GOアプリで簡単に確認できるようになったので、保温ケースやホッカイロなどでバッテリーを温める必要がなくなりました。
また、デュアルバッテリーなので、どちらかのバッテリーに不具合が生じた場合でも、残りのバッテリーがフライトを維持し、安全に着陸します。Inspire1のTB48は飛行時間が長くて便利でしたが、バッテリー容量が大きかったため、航空会社によっては2本までしか飛行機には乗せることができませんでした。しかしInspire2では98Whが2本で1セットとなったので、容量が小さく、何本でも飛行機に持ち込みが可能になりました。
さらに、Inspire2の推進システムはシリアルポート信号が冗長性PWM信号で駆動されているため、PWM信号をロストしてもシリアルポートから伝送が維持されます。この推進システムには何1000時間にもおよぶ信頼性試験を実施し、主要なセンサーとデュアルバッテリー設計とを組み合わせることで、飛行の信頼性が総合的に強化されています。
飛行性能の向上
Inspire2は、最大速度を94km/hを出すことが可能でぶっちぎりの速さを誇ります。それのみならず、0km/hから80km/hまでわずか5秒で加速するという驚異的な加速性能も兼ね備えます。
また、前後上下についた障害物センサーによって、障害物回避の性能が上がり安全性が高まりました。障害物センサーをONにしておけば、いきなり電波が切れてGOHOMEがかかり、木などに衝突・墜落するようなリスクを減らすことができます。
それだけでなく、Inspire 2は、ビジョン・センサー・システムにより飛行中にリアルタイムで飛行ルートのマップを作成することができます。また、ホームに帰還する際は、主要なカメラを使って障害物を最大200m先まで検知することで安全な飛行ルートを計画し、そのルートに従って帰還することが可能にもなりました。(SMART RETURN TO HOME機能)
カメラ・ジンバル機能充実
最新のビジュアル・トラッキング・アルゴリズムにより、飛行中にInspire2がどの方向を向いて飛行していても、カメラは被写体を捉え続けます。
クイックスピン機能では、ジンバルが回転制限に達したとき、Inspire2は、機体自身をカメラと同じ方向に回転します。これにより、ジンバルの可動範囲に制限されず、操作に影響を及ぼすこともなく360°方向の撮影することが可能です。
また、非常に大きなポイントとして、Inspire2はジンバルが機体とは別で動く仕様になったことで、2人同時のオペレーションが可能となっている点が挙げられます。機体を操縦する人と、カメラアングルを動かす人が分かれることで、パイロットは操縦に専念することが可能になり安全性が向上します。
Inspire2の短所
機体の重量
Phantomシリーズ等と比較すると、とにかく重くて箱も大きいです。
Phantomシリーズであれば、リュック等に入れて持ち運ぶこともかろうじて可能でした。しかし、Inspire2に関しては重量が3440g、そして箱もかなり大きいため、公共交通機関等で持ち運ぶことはあまり現実的ではありません。車を自分で用意する必要があるでしょう。
機体の見た目のプロ仕様感から分かることではありますが、手軽に飛ばせるドローンではないということを認識しておきましょう。
それ以外にも、ケースの留め具が壊れやすいという問題も発生あるため注意が必要です。
安定性
Inspire1よりはホバリングの安定感が増しましたが、それでもP4PやMavicと同等の安定感、あるいはそれよりも不安定に感じられる方もいらっしゃいます。プロペラとカメラまでの距離が長いので揺れが発生することから、余計にそう感じられるのかもしれません。
耐風性に関しても他の中型機体と大差ないため、機体が大きくなったこと・重量が重くなったことによる安定感を期待されている方は少し残念に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
バッテリーの扱いがやや難しい
Inspire2は2本のバッテリーが必要となりますが、この2本はペアリンクという作業をアプリ上で行うことが推奨されています。ペアリングを行うことで、ペアとなっているバッテリーの電池の残量や電圧が一定に保たれるため、より安全な運用を行うことが出来るとされています。
一応、ペアリングを行うことで機能面での制限はかかりません。しかし、弊社で空撮を行う際はきちんとペアリングを行ったバッテリーを使用することを心掛けています。バッテリーが2本あることでトラブルが起こることのないよう、きちんとペアリングを行ったバッテリーを使用することを推奨します。
C1ボタンで真俯瞰撮影ができない
Inspire1も同じですが、他のDJIドローンにあるC1ボタンでカメラが真下を向く機能がありません。普段からC1ボタンの機体に慣れていると不自由に感じるかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
綺麗な映像が撮れることや高い安全性というメリットと共に、デメリットも複数あることがお分りいただけたでしょうか。短所に価格面はあえて入れませんでしたが、やはりInspire2は一般の方には手の届きづらいドローンではあります。
しかし、ドローン空撮にある程度以上ハマったことがある方は、皆口々に「Inspire2が欲しい」という台詞を発します。実際に、Inspire2から撮影した映像をPhantom4 Proなどと比較すると、そもそものカメラの画質や、センサーサイズの拡大、2オペレーションによる安定感といった部分で動画に関して圧倒的な性能の高さを体感することができます。
メリット・デメリットともにクセのある機体ではあります。ですが、この機体を使いこなせるようになると、空撮の性能だけでなく、プロとしてオペレーションを行っているという自覚まで生まれてきます。よく吟味した上で、機体を選んで頂ければと思います。
業務レベルの空撮にはInspire2シリーズがオススメです。中型機で6K空撮を実現しています。