【ドローン操縦士が語る】DJI製モニターCrystal Skyがオススメな理由

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DJIが販売する高輝度のモニター「CrystalSky」は、はたして購入するだけの価値はあるのでしょうか?ipadの弱点である、ディスプレイの見やすさ、耐熱性、耐寒性を克服したCrystalSkyが、どう空撮の現場に役立つのかを解説します。

この記事の目次

ドローンを操縦している皆様の中には、iPadでのドローン運用に対して非常にストレスを持った方がいらっしゃるかと思います。基本的に屋外での使用が想定されているドローンですが、モニターとなるiPadは日光に弱く、明るい場所だと画面が見えづらいという弱点があります。

そうした弱点を克服するのが、高輝度モニターであるCrystal Skyです。Crystal SkyはDJIドローンに特化した専用のモニターで、特に空撮において操縦士が余計な点に気を取られずに済むような、iPadの弱点を克服する工夫がなされています。

そんなDJIの推奨するタッチディスプレイCrystal Skyについて解説を行っていきます。

 

なぜ専用のモニターが存在するのか

 

まず、専用モニターはドローンを飛行させるための必須品ではありません。スマートフォンやタブレット端末を利用してドローンを飛行させても、基本的に大きな問題とはならないでしょう。それでは、なぜ専用モニターを購入する必要があるのでしょうか?

実際、CrystalSkyを試すまではそのメリットに気づくことはできません。また、実際のところ説明も難しいのですが、本記事ではその部分の解説を行っていきます。

 

CrystalSkyが解決できる問題とは

スマートフォンやタブレット端末でドローンを操縦すると、いくつかの問題が浮上します。

まず、周囲の明るさです。眩しい太陽光の下でドローンを飛ばしたいのはやまやまですが、そのような環境下ではディスプレイの反射により画面が見にくくなってしまいます。さらに、空撮のチャンスを逃したり、望むような映像が得られない結果に終わることもあるでしょう。

さらにスマートフォンやタブレット端末に着信や通知メッセージが届いた時、それはドローン操縦を妨げるだけでなく、時には操縦アプリの「DJI Go」をクラッシュさせる原因にもなりえます。つまり、スマートフォンやタブレット端末は本格的なドローン飛行のモニターには向かないのです。

 

 

しかしCrystalSkyを利用すれば、高輝度なモニターのおかげで日光下でも視認性が向上します。そして、空撮動画のフレーム内になにがあるかを正確に把握できるのです。CrystalSkyの2000cd/㎡というモニター輝度のスペックは、通常のモバイルデバイスの4倍以上の明るさを誇ります。

さらに、CrystalSkyは操縦用アプリがクラッシュすることもなく、またメッセージが届いてユーザーを苛立たせることもありません。Androidベースのインターフェイスは非常に応答性がよく、またタッチスクリーンも快適でした。それに加えて、Crystalskyは通常のラップトップよりもより多くのポート類を装備し、2つのmicroSDカードスロットのおかげで、デバイスでの動画編集も可能です。

画面も美しく、画面解像度は十分で、バッテリーは6時間以上も持ちました

 

CrystalSkyのスペック

ここまでメリット中心の説明を述べた所で、いよいよ本格的にCrystalSkyのスペック、そして実際の使用感について話を進めていきます。

液晶

IPSパネル、マルチタッチ画面
画面サイズ 7.85インチ/5.5インチ 
輝度 1000cd/m2
解像度

2048×1536 (7.85インチ) 

1920×1080 (5.5インチ)

内蔵メモリ ROM64GB+RAM4GB
内部バッテリー 980mAh
外付けバッテリー 4920mAh(2個付属)

 

CrystalSkyモニターは、下記のドローンに使用することが出来ます。

・PHANTOM シリーズ
・INSPIRE シリーズ
・MATRICE シリーズ
・OSMO シリーズ(Osmo Mobile含む)
・MAVIC PRO

Wi-Fiまたは送信機のUSBポートを使うと素早く接続が可能です。

また、送信機用のマウンティング・ブラケットの使用をお勧めします。CrystalSkyの取り付けブラケットは、9,630円(税別)と別売りになっています。脱着可能なアダプターをCrystalSkyに取り付けておくことによりレバー操作だけでモニターの脱着が可能です。お値段はややしますが、脱着部分も良い作りで使いやすくなっています。

また、Matrice210シリーズに付属しているCENDENCEであれば、CrystalSkyをブラケットなしで装着可能です。産業用機体としての力をフルに活かせる組み合わせです。

 

特徴的なポイント

長時間駆動・温度変化に強いバッテリー

CrystalSkyモニターは、他のモバイルデバイスと比較して長時間の操作が可能です。急速充電に対応し、低温環境下でも放電率を完全にコントロールできます。

7.85インチ画面の最大稼働時間は4〜5時間、5.5インチ画面の最大稼働時間は5〜6時間です。ほとんどのスマートデバイスは、常温の範囲内のみでの使用を想定して設計されていますが、CrystalSkyモニターの外付けバッテリーは厳しい気温に耐えられるように設計されており、-20度から40度の間であれば正常に動作します。

映像確認用のデュアル SD カードスロット

CrystalSkyモニターは、SD カードに録画された映像を直接モニターで再生できます。DJI GOに組み込まれているエディターを使用して高品質な編集が素早く行うことも可能です。編集した動画は、HDMIポートから出力・SNSでの拡散を行うことが可能です。

DJIの空撮システムとの互換性

ボタンごとの機能がカスタマイズ可能です。障害物回避やフォーカスピーキング、カラーウェーブフォーム、ホームポイントリセットなど、よく利用する機能をボタンに割り振ることで、素早く有効・無効の切り替えを行うことができます。また、飛行中の警告メッセージ等を送信機側から閉じることも出来ます。特定のボタンを押しながら、ダイヤルを回したり左右のレバーを操作することでジンバルをロールさせたりシャッタースピード、絞り、ISOを設定することも可能です。

 

開封写真

こちらが実際に開封した写真です。
かなりしっかりとした作りですが、きちんとタッチパネルで動作します。

 

 

CrystalSkyの側面部の写真です。右から順に、電源、任意設定が可能なF1ボタン、メニュー表示ボタン、任意設定可能なF2ボタン、リターンボタンです。F1・F2ボタンは事前に設定が必要です。

 

今回は逆の左から順に、HDMIポート、USBポート、microSD挿入口×2、microUSB挿入口となっています。

USB端子には外出時にポータブルハードディスクなどを接続しmicroSDからデータをコピーするために主に使用します。microUSBは、PCや機体との接続を行うこと、アップデートがメインの使い方となります。

二つあるmicroSDの挿入口には、ドローンに搭載していたmicroSDを挿入することで、撮影した映像をチェックすることが可能です。

 

CrystalSkyは別売り(M210シリーズには付属)のプロポ(送信機)であるCENDENCEに互換性があるため、このようにブランケット無しで装着することができます。ただし、CENDENCEからiPadに繋げるためには、別売りのデバイスホルダーが必要です。CrystalSkyだけ使用する場合は問題ありませんが、iPadを使用する際はホルダーを購入しましょう。

 

iPadと比較した実際の輝度

一般的なタブレットやスマートフォンの輝度は、放射輝度で400cd/m2とされています。

それに対して、CrystalSkyは1000cd/m2の輝度を出力することが可能で、数値の上では2.5倍明るいということになります。

実際にipadの輝度最大出力と比較してみたのが以下の画像になります。

実際に2.5倍明るいとは言えませんが、ipadと比較するとかなり見やすいという印象です。
基本的にドローンは屋外使用なわけですが、左のipadだと、この撮影を行った日のような、天気の良い日は可視性的に厳しいと感じることがあります。
一方で、右のCrystalSkyであれば、天気に関係なく問題なく使用することができそうです。

ちなみに、上位機種で超輝度版の2000cd/m2も発売していますが、32,400円ほど高くなることを考えると、100cd/m2で十分です。

 

実際に使用して感じたメリット・デメリット

デメリット

  • 普段iPadを使用している方には、Androidとの操作感の違いを感じる。
  • ボタンの機能の振り分けがウリだが、慣れないとクセがありボタン振り分けに工夫が必要
  • タップの感度があまり良くないのではないか
  • CENDENCEと併用すると、総重量が2キロ近くなってしまうため重い
  • 使用可能なアプリがDJI GO, DJI GO4のみに限られており、GS PROやPix4D Mapperなどのアプリが使用できない

 

といったデメリットがあります。
こちらは、どれも使用ケースに合わせてiPadと切り替えを行うことで解決しそうな問題です。

 

メリット

  • 輝度が高いのはやはり見やすい。フードを被って画面部分を暗くしたりという手間が必要ない。
  • 熱に強い。iPadだと自己発熱+直射日光で高温になり、長時間飛行を途中で中断しなければならないケースがある。その心配がないのは大きい。
  • 寒さにも強い。iPadでよくある、冷たくなると突然電源が落ちるなどの「バッテリーが持たない」という問題を回避できる
  • ドローンのmicroSDで撮影した映像を、ドローン本体で撮影したクオリティですぐにプレビュー可能で便利

 

メリットとしては上記のような意見が挙がりました。結論として、撮影時に気温等の環境変化に左右される部分を大幅に減らせるので、弊社パイロットとしては『使える』という意見に落ち着きました。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

CrystalSkyは買いだと言えるのか?という問いに関しては、ドローンをどれくらいの回数、あるいは趣味か商業目的で飛行させるのかによります。

我々の感想としては、プロとしてドローンを飛行させるのならCrystalSkyは買いであるというのが結論です、。一方趣味程度にドローンを飛ばすのでしたら、無理して購入する必要はないかもしれません。

あくまでディスプレイということもあり、周辺機器として扱われるCrystalSky。しかし本格的に空撮を行うにあたっては、強い日差しの中でも使用可能、かつ耐熱・耐寒という実際に現場で飛ばしている操縦士に対する配慮が重ねられているディスプレイでした。弊社でもレンタルして使用して試してから、Ultra Brightnessバージョンを2つ配備することになりました。またリピートしたくなるだけの使い心地を、一度使ってみると体感できます。

ぜひ、ドローンを業務として使用されている方は、一度CrystalSkyで現場で安定感のある撮影を試してみてはいかがでしょうか?

CrystalSky 5.5 High Brightness

CrystalSky 7.85 High Brightness

CrystalSky 7.85 Ultra Brightness

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