こんな感じの内容です!
現在、DJIのPhantomシリーズにはPhantom4/Phantom4 advanced/Phantom4Proの3機種があります。この3機種は、一体なにが違うのでしょうか。今回はDJIで最も人気のPhantom4シリーズをそれぞれ比較してみました。
この記事の目次
DJIの人気機種Phantomシリーズの最新機種
ドローンと聞いて多くの人が想像するのが、このDJIのPhantomだと思います。DJIがコンシューマー向けに販売を開始してから、爆発的な人気を誇る機種です。
Phantomの購入を考えている人の中には、Phantom 4 ProとPhantom 4 Advancedの両者がラインナップに存在することで、お悩みの方も多いかもしれません。また、過去の機体であるPhantom3やPhantom4をまだ販売しているところもあり、価格を抑えようとそちらを検討している方もいるかと思います。
これらPhantomシリーズは一体何が違うのでしょうか。
今回は、Phantom4 Pro/Advancedが過去のPhantomシリーズから向上した部分に触れつつ、両者の違いについて説明していきます。
機種名 | Phantom4 | Phantom4 Advance | Phantom4 Pro |
特徴 | 4Kカメラ、障害物回避 | 4K動画、障害物回避 | 4K動画、障害物回避センサー搭載 FlightAutonomyシステム |
障害物検知 | ○(前方、下方) | ○(前方、下方) | 前後方・左右 |
最高速度 | 72km/h | 72km/h | 72km/h |
最大飛行時間 | 27分 | 30分 | 30分 |
耐久風速 | 10m/s | 10m/s | 10m/s |
有効画素数 | 1,240万画素 | 2,000万画素 | 2,000万画素 |
センサーサイズ | 1/2.3型 初心者向けコンデジレベル |
1型 高級コンデジレベル |
1型 高級コンデジレベル |
動画フレームレート | 4K/30fps | 4K/60fps | 4K/60fps |
最大ビットレート | 60 Mbps | 100 Mbps | 100 Mbps |
重さ(バッテリー・プロペラ込) | 1,380g | 1368g | 1,388 g |
価格 | 現在不売品 | 159,000円 | 204,000円 |
カメラ性能が大幅にアップデート
参照:http://www.dji.com/jp/phantom-4-pro
Phantom4 Proになってから、カメラの性能が大幅に増強されました。Phantomシリーズを購入される方は、下手にお金を出し惜しみするよりは、確実にクオリティに満足できるPhantom 4 Proを購入するのがオススメと言えます。
画素数の向上
Phantom 4は,1240万画素のカメラを搭載していました。それに対し、Phantom 4 Proはなんと、1インチ,2000万画素のカメラにアップデートされています。これはハイエンドのコンパクトデジカメとほど同等の性能です。
実際に、現在の空撮の現場はPhantom4 Proがスタンダードな機体になっており、A4用紙程度のサイズの写真であればPhantom4 Proで相当綺麗な撮影が可能です。また、Phantom4 Proよりさらに画質を求めるとInspire2などでの撮影が必要になり、お値段が15万円以上増加してしまいます。その点を考えると、定価20万円前後でこれだけのハイクオリティな撮影を出来るのは、かなりお買い得と言えます。
イメージセンサーのサイズ拡大
センサーサイズも格段に性能が向上しています。Phantom4までは、1/2.3インチセンサーという初心者向けコンデジレベルしかなかった画質ですが、Phantom4 Proでは1インチセンサーという、高級コンデジレベルまでセンサーが拡大されています。
カメラに詳しい方はご存知かもしれませんが、一般的に『センサーサイズが大きいほど、多くの光を取り込めるので画質が良くなる』という特徴があります。同じ画素数でも、より多くの色情報を取り込めることで綺麗な空撮が可能になります。
ピントの設定が変更可能に
Phantom4 Proのカメラから、F値、SS値といった設定が変更可能になりました。これによって、通常のデジカメのようにフォーカスの設定が可能になります。ただし、初心者にはピントの設定はやや難しいため、こうした細かい設定が加わることで撮影の難易度が上がるという副作用もあります。その代わり、画面のタッチでフォーカスを合わせることが可能になったので、ある程度操作に習熟するとPhantom4よりピントをしっかり合わせた画像が撮影できるように配慮されています。
より高画質な動画が撮影可能に
4K動画のフレームレートが最大60fpsに強化。また、Phantom 4の最大ビットレートは60Mbpsなのに対し、Phantom 4 Proは100Mbpsとなっています。基本的にフレームレートが上がるほど滑らかな映像になります。また、ビットレートが上がるほど映像の質があがるので、空撮動画を撮るのがメインの方には非常に喜ばしいアップデートになっています。
各種センサー搭載で安全性能が格段にアップ
Phantom 4 ProはDJIで初めて赤外線センサーを搭載した機体です。機体の両サイドのセンサーが従来の超音波センサーでは感知することの出来ない距離感の障害物まで認識し、避けることができます。
ドローン空撮では、難易度の高い撮影を求められることも少なくありません。そんな時、Phantom 4 Proなら接触のリスクを大きく下げれます。過去の事故を鑑みても、最新機種なら、回避できたのではというケースもあります。
参照:2017年度最新版]ドローン関連事件・違反の19事例をまとめ、その原因とは?
小話
私が離島で撮影を行っていた際の出来事ですが、撮影に夢中でモニターを中止しながら、ギリギリ目視外の距離で島の全景を撮影していました。その際、気づかない内に崖に接近してしまったのですが、障害物センサーのアラーム音に助けられました。Phantom 4 Proが、撮影上の予期せぬリスクを下げてくれる有り難みをそこで感じました。(もちろん、安全には十分な配慮が必要です)
その他、過去機種からの向上点
最大飛行時間が3分間分向上
参照:http://www.dji.com/jp/phantom-4-pro
細かい変更ですが、一度の充電で飛行できる時間が27分間から30分間に変更されました。ドローンは飛行時間が短いだけに、3分間でもアップデートは実際に飛ばしてみると大きく感じます。また、Phantom 4から買い換える人にとっても嬉しいのが、バッテリーがPhantom 4と共通であるということです。買い替えても前の部品を引き継げるのは、コストがかからずお得です。
保存容量面での向上
動画の品質が上がったのに合わせて、利用できるmicroSDの最大容量が64GBから128GBに変更されました。さらに、Phantom 4 Proは次世代規格のH.265に対応しています。これは従来のH.264の次の規格で、H.264の二倍もの圧縮が可能であると言われています。今後10年間を担うと名言されている点から、この規格が標準化する日も近いことでしょう。
ジェスチャーモードの追加
こちらはMavic Proに既に搭載されていますが、これがPhantom 4 Proにも導入されました。ドローンのカメラの範囲で特定のポーズを撮ると自動でシャッターを切ってくれるという機能です。Phantomを集合写真や人物撮影に利用したいという方にぴったりな機能ですね。
Phantom4 Pro と Advancedとの違いについて
違いは以下になります。
- 「FlightAutonomyシステム用の2つのリアビジョンセンサー」を省略
- 「赤外線センサー」を省略
- 「リモートコントローラの5.8GHz帯」を非対応に
簡単に説明すると、Phantom4 Proからカメラや機体性能はそのままに、障害物検知機能を省略したのがPhantom4 Advancedになります。
Phantom4 Proは、障害物検知のために後方にビジョンセンサーを設置しています。この後方の(ステレオ)ビジョンセンサーは、人間が視覚で捉える情報と同じような仕組みで対象物との距離感を測り、障害物の検知を行う仕組みとなっています。また同様に、DJI Phantom4 Proには左右側面に障害物検知のための赤外線検知システムがあります。
これらのセンサーから得られた情報が、フライトコントローラーに送られて3次元の障害物マップへと演算され、自律飛行とより安定したホバリングが可能となるのが、Phantom4 Proに搭載されているFlightAutonomyシステムです。
DJI Phantom4 Advancedでは、このFlightAutonomyシステムを可能とする各種センサーが省力されているため、Phantom4 Proでは可能な障害物回避が出来なくなっています。ただ、その分お値段は数万円下がるため、障害物検知がドローンの操縦に必要無いという方は、Phantom4 Advancedを検討しても良いかもしれません。
※Phantom4 Advancedは、最初の頃GS PROに対応していないという問題がありましたが、
そちらは現在既にDJI側対応済みのため、安心して購入して頂いて大丈夫です。
Phantom4 Pro+について
5.5インチモニター付きコントローラーモデル
最近登場した、Phantom 4 Pro +のモデルには、送信機に5.5インチのモニターが付属しています。
これまでは、スマートフォンやタブレットを別に用意して接続しなければならないのを、非常に煩わしく感じていた方も多いかと思います。モニター搭載型ゆえに準備の時間が短縮可能であり、プロの空撮カメラマンの中には、それが理由で全部のPhantomをPhantom4 Pro+に買い替える方すらいらっしゃいます。
このタブレットはデフォルトでDJI Goアプリを内蔵し、5.5インチの液晶を搭載しています。5.5インチといえば、iPhone 7 Plus等と同じ画面サイズです。タブレットに慣れている方は小さく感じてしまうかもしれませんが、実際に手元で操作するには良いサイズなのでは無いかと思います。
また、強い太陽光に対応出来るよう、ディスプレイ輝度が一般的なデバイスの二倍とDJIが発表しています。実際に使用したところ、確かに輝度は非常に高く、Ipadが比較にならないほど格段に屋外での視認性が高まっています。いままでフードを使っていた方も、このモニターを使用すれば十分フード無しで屋外での飛行を行うことが出来ます。
Phantom 4 シリーズ 値段とコスパ
- Phantom 4 Pro 204,000円
- Phantom 4 Advanced 159,000円
- Phantom 4 Pro+ 239,000円
- Phantom 4 10万円前後(現在販売しておりません)
もちろん、最も購入をお勧め出来るのは、カメラと安全性能が飛躍的に上がったPhantom 4 Proになります。価格は204,000円と最初は高くついてしまいますが、これだけ高性能だと十分元が取れる額ではないかと思います。
その中から、安全性能をカットし、そのぶん値段を抑えたのがPhantom4 Advancedになります。機体としてのスペックはPhantom4 Proと同様となりますが、安全性能を省略するとPhantom4 Proの大きなメリットを削ぎ落としてしまうことは注意しましょう。Phantom4 Advancedの購入を検討される方は、恐らく予算の問題での選択肢になるので、どちらかというとMavic Proと比較検討を行うと良いかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
このように見て行くと、Phantom4 Proが、Phantomの過去シリーズから遂げた進化がいかに大きなものかが分かるでしょう。
Phantom4 Advancedもドローンの中ではかなり良機体なので、ご予算次第では十分に検討に値する機体です。しかしながら、繰り返すと最も購入をお勧め出来るのは、中型機の中では圧倒的にバランス良く、空撮にも産業用にも使われるPhantom 4 Proです。
いずれにせよ、末長く使用することになる機体になるかと思います。じっくりと検討した上で購入し、DJIスタンダードのPhantomシリーズとドローンライフを共にしてください。
機体の購入はこちらから!