こんな感じの内容です!
DJI製小型ドローンのSparkと、ホビードローンの決定版Dobbyを、法律上の扱いの違いの説明などを交えて徹底解説していきます。小型ドローンから初めてドローンを購入しようとする方へ向けた、初心者にも分かる丁寧な説明を行います。
この記事の目次
DJI製の小型ドローン代表として、『ドローン入門するならコレから!』と挙げられることも多いSpark。一方で、iPhoneのような可愛らしいデザインに、「セルフィードローン」というライトなキャッチコピーで名前が挙がる、ZEROTECH社のホビードローン、Dobby。
どちらも2017年の小型ドローン界を牽引してきたドローンではありますが、『小型ドローンって、一体何が違うのだろう?』と疑問に思われる方も多いと思います。特に、価格帯としてはかなり低いドローンになるので、まだドローンに触れたことも無い初心者の方が購入することが多く、チンプンカンプンになってしまうはず。
そんな小型ドローンの代表2機体を、本記事では徹底比較していきます。
全体スペック比較
機種名 | Spark | Dobby |
特徴 | セルフィ特化型。ハンドジェスチャーでの操作可能。 | 持ち運びに便利な ポケットサイズ |
障害物検知 | 3D認識システム0.2 ~ 5m | なし |
最高速度 | 50km/h | (約20km/h) |
最大飛行時間 | 16分 | 9分 |
最大通信距離 | 500m(プロポ使用の場合) | 100m |
耐久風速 | 風速レベル4(5.5〜8m/s) | |
有効画素数 | 1200万画素 |
(4208x3120 約1200万画素前後) |
動画解像度 | FHD: 1920×1080 30p | 4K(4096×2160) |
対格寸法(プロペラ含まず) | 170 mm | 135mm |
重さ(バッテリー・プロペラ込) | 300g | 199g |
価格 | 65,800円 | 54,800円 |
サイズ・重量
Sparkの重量が300g、Dobbyの重量が199g。重さに関しては100g、約リンゴ1個分ほどSparkの方が重いです。ただ、この100gには非常に大きな意味が込められています。
2015年11月に改正された航空法では、ドローンの飛行時に、許可申請書類の提出が義務付けられるようになりました。例えば、ドローンを飛行禁止区域(空港付近、人口集中地区、高さ150m以上の空域)で飛ばす際や、自動車・建物等とドローンとの間に30m以上の距離を保てない場合には原則飛行が禁止(違法)となり、許可申請が必要になっています。
しかし本法令は、重量200g以上の機体のみに適用され、200g未満のドローンには適用されません。このような「200g未満」で「改正航空法適用外のドローン」のことを、一般的にホビードローンと呼んでいます。Dobbyは、この航空法にギリギリのところで適用外となっている、現状では極限までドローンとしての装備を積んだホビードローンとなっています。
一方でのSparkは「手のひらサイズ」というコピーが付いているほど小型ではありますが、人口密集地区などの飛行では通常の申請が必要なタイプのドローンになります。
飛行性能
速度/時間/距離
両者とも最大飛行時間は非常に短く、Sparkは16分、Dobbyに至っては9分しか持ちません。
『ホビー』と称されるだけあって、軽量化のためにバッテリーを削ってしまうのは仕方ないのかもしれません。
最大通信距離に関してもDobbyは100mと、およそ目視の範囲内で飛ぶことが想定されています。
他方のSparkは500mの飛行が可能で、速度もPhantom4 Pro並のスピードが出すことが出来ます。Sparkは単に小型なだけで、あくまでドローンの括りでパフォーマンスを上げつつ、可能な限りコンパクトにしたドローンと捉えるのがよいでしょう。
耐風・安定性
耐風性に関して、Sparkは正確なデータが公表されてはいません。Dobbyも5.5〜8m/sの風には耐えるというように仕様としては記載されていますが、風が吹くとやはりフラフラと不安定になってしまいます。重量不足による耐風性の低さは、二機体とも他のドローンよりも覚悟しておくべきでしょう。
ホビードローンと言えどプロペラは相当な速度で回転しており、触れれば普通に怪我をします。落下すると危ないからこそ、小型でも耐風性に対して工夫が施されていますが、それでも十分とは言えないのが現状です。他のドローンも同様ですが、落ちるリスクを完全に防ぐことは出来ないので、安全な場所で飛ばすこと、風のある日は飛行を控えることを心掛けましょう。
カメラ性能
画質
Sparkが1200万画素、Dobbyも4208x3120 (1280万画素が4368*2912のため、、約1200万画素前後)と、静止画に関しては性能に大差ありません。
しかしながら、SparkのフルHD(1080p)の動画対応に対して、Dobbyは4Kの動画撮影が可能であり、Dobbyの方が4倍もの高解像度の動画が撮影可能という驚きの数字が出ています。
4Kといえば、4Kテレビの普及で芸能人が「高画質すぎて化粧で毛穴が誤摩化せない」と悩むほどのものなので、逆に「セルフィードローンDobbyがそこまでの高画質で撮影していいのか」という問題が発生するレベルです。Dobbyで撮影した自撮りを、インスタで加工して画質を落とす女子大生の姿が目に浮かぶようです。この小型の機体にそこまで搭載出来てしまう技術力がすごいですね。
フォーカス・ジンバル
ジンバルとは、風や機体自身のブレを除去してくれるカメラ制御機能を意味します。ドローン・ハンディカメラなど動く映像を撮影する場合には、ジンバル性能の差が映像クオリティを大きく左右します。
カメラ性能で言えばDobbyの方が高いという結果が先ほど出ていましたが、残念ながらDobbyにはジンバルが搭載されていません。Dobbyには電子手ブレ補正が搭載されてはいますが、通常動画撮影では無風でホバリング状態をしていても、映像内に小刻みな揺れが少し見られます。
Sparkは2軸ジンバル搭載型であることもあり、Sparkの方がよりブレを軽減したより滑らかな映像を撮影することが出来ます。動画を撮影する際は単純な画質だけでなく滑らかさが必要とされるので、ジンバル搭載か画質を優先するかは検討した方が良いかと思われます。
送信機の操作性
DobbyもSparkも通常版にはプロポが付属しておらず、スマホでの操縦を前提としています。
Dobbyを例にとれば、スマホの傾きで操作を行い、指のスライドで上昇下降や回転を行うモーション操縦モードや、指のスライドのみで操作を行うモニタースラッシュ操縦モードなどが操作方法として挙げられます。簡単な操縦がメインになるので、用途は主に自撮りが中心になるでしょう。
Sparkも通常版はプロポが付属しておらず、スマホでの操作を行うことになります。しかし、自撮りぐらいの用途での飛行であればそれでも十分ですが、さすがに通常のドローンと同じレベルの力を持っているSparkを簡単な飛行のみで終わらせるのは勿体ないです。『Fly Moreコンボ』を購入するとプロポが付いてきますので、ぜひ他のドローンと同様プロポでの操作を楽しんでみてください。
価格・コスパ
Sparkの方が65800円、Dobbyが54800円と、価格面で言うとSparkの方が1万円弱高いのが現状です。
しかし、『ホビードローンである』という点にこだわりがないのであれば、しっかりと飛ばせるSparkをオススメします。動画画質はやや劣りますが、安定した飛行と、ジンバル付きで滑らかな撮影が可能であることは、特に初心者の方にとっては大きなメリットであるはずです。
あくまで『ホビードローン』として使用したいのであれば、Dobbyをオススメします。申請等を気にせずどこでも飛ばせるのは極めて大きなメリットです。
ただし、2018年上旬に発売予定のホビードローン『Tello』は、画質等は多少劣るものの、定価12800円でホビードローンとしてかなりの完成度を誇っています。よって、いまからあくまでホビードローンであるDobbyを5万円以上出して買うのがお買い得か、、、というの点は悩ましいところです。
参考:【 DJI Tello 】デザイン、特徴、Sparkとの違い・比較、徹底レビュー!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
DJI代表として、あくまでドローンとしての一定の性能を保ちながら、限界まで小型軽量化に挑戦したSpark。それとは逆に、規制の枠に引っかからないホビードローンという立場を保ちつつ、限界まで性能の向上を図ったDobby。
どちらも小さな機体に目一杯機能が搭載されており、小型ドローンにイノベーションを起こそうとする開発者が血の滲むような努力が現れた機体になります。
2018年、新たにTelloというダークホースも現れた中で、今後小型ドローンがどう進化していくのかに目が離せません。ぜひ、ドローンの世界をSparkやDobbyから一日も早く体験してみませんか?